“コロナが怖い” こころの悩み相談が殺到

“コロナが怖い” こころの悩み相談が殺到
「コロナが怖い。不安で眠れない」。「コロナ休みで1ヶ月以上、他人と会話してない」。「いまだ満員電車で通勤する日々。不安しかない」SNS上には、新型コロナウイルスに関するこうした不安の声があふれています。でもどうか、ひとりで悩まないでください。誰かにその悩みを打ち明けてください。きっと、ひとりじゃないって気付くと思います。

つながらない…こころの悩み相談が殺到

厚生労働省の補助事業として3月18日から始まっている、インターネット上での心の相談窓口。新型コロナウイルスに関する不安や悩みについて、心理カウンセラーに1対1のチャット形式で相談することができます。3月31日までの2週間で寄せられた相談は600件以上。最大10人以上の相談員で対応していますが、連日、相談が殺到し、アクセスしにくい状況となっています。3月のみの予定でしたが、急きょ、4月以降も続けられることになりました。

ウイルス感染が怖い…

新型コロナウイルスに関してどんな悩みが寄せられているのでしょうか。心理カウンセラーでつくる団体「全国心理業連合会」の担当者に話を聞きました。いちばん多いのが、「ウイルス感染への恐怖や不安」だということです。その相談の概要をさらに聞いてみるとー。「外出して家に帰ってきたら、2時間くらいかけて手を洗ってしまうんです。手とか腕とか顔とか、ウイルスがついてるんじゃないかって怖くて…」。「ウイルスに感染してしまうんじゃないかと思ったら怖くて不安で眠れないんです。感染するくらいならもう死んでしまった方がマシだと思ってしまうくらい」いずれも心配になる内容のものばかりです。担当者の話では、もともとそれほど衛生面について気にしていなかったような人でも新型コロナウイルスに関しては相当敏感になってしまい、日常生活に支障がでかねないようなケースも多いといいます。

収入がほとんどないもう心中するしかない…

次に多いのは「仕事や生活に関する悩み」、特に収入についてです。新型コロナウイルスの影響で収入が減ってしまい、この先の生活が見通せない人も多いといいます。これは、夜の飲食店で接客の仕事をしている女性からの相談です。「お客さんが来なくて収入は4分の1まで減ってほとんどない状態。私が親を養っているうえ、借金の返済もあって家賃も払えない。もう、どうしたらいいか分からないし、心中するしかないと思う」。こうした仕事への不安は、夜の飲食店業や日雇いのアルバイト、それに個人事業主など組織に所属していない、相談できる場所が少ない人たちからが圧倒的に多いといいます。そして、いずれも生活が行き詰まりかねない、深刻なものが多いといいます。

一人で悩まないでとにかく誰かに相談して

厚生労働省から相談事業の委託を請け負っている全国心理業連合会の浮世満理子代表理事に話を聞くと、首都圏などでは行政からの外出自粛要請もあり、相談内容はさらに深刻になってきているといいます。浮世さんは次のように話しています。「外出しないと人と話すことも少なくなって孤独を感じ、一人で悩んでしまいがちです。不安なことは、とにかく誰かに相談してほしいです。自分が住んでいるところの市区町村の窓口やNPO団体などに話をしてみてほしい。自分だけでは分からなかったサポートや支援がいろいろあることに気付くと思います。新型コロナウイルスに関していちばんつらいのは、いつになったら終わりが見えるのか全く分からないこと。自分でコントロ-ルできないことが大きなストレスになります。でもそれはみんな同じ。みんな悩んでいます。まわりの人と悩みを共有して共感し合って、少しでもストレスを発散してほしいです。どうか、ひとりで悩まないでください」。