新型コロナ タイのスラムで支援の動き

新型コロナ タイのスラムで支援の動き
新型コロナウイルスの感染拡大が続くタイでは、感染の脅威にさらされているスラムで暮らす住民たちを支援しようという動きが、始まっています。
タイでは、新型コロナウイルスの新たな感染者が、先月下旬以降、ほぼ連日、100人を超えています。

中でも首都バンコクにある、およそ10万人が密集して暮らすスラムでは、マスクが不足していて、感染の拡大が懸念されています。

また、政府による感染対策の強化で、店舗を閉鎖されるなどして職を失った住民たちへの経済的な支援も課題になっています。

こうした中、スラムで長年活動するNGOが、ふだん手工芸品を製作している住民の女性たちに、繰り返し洗って使える布製のマスクを作ってもらう活動を始めました。

マスクは、援助団体や企業が購入して、スラムの住民など必要な人に配布されるということで、マスク作りを通じて感染防止に役立てるとともに、スラムの女性たちの生活も支援するという取り組みです。

NGOによりますと、1日350枚程度のマスクを作っているということです。
活動を支援する日本のNGO、シャンティ国際ボランティア会の八木澤克昌アジア地域ディレクターは「今後の爆発的な感染を非常に危惧している。最優先で、こうした地域に対策を講じないと、感染が広がった場合、手に負えなくなる。政府はまず、貧困地域に力を入れてほしい」と話しています。