「クラスター」発生の名古屋市南東部 医療現場に負担集中

「クラスター」発生の名古屋市南東部 医療現場に負担集中
新型コロナウイルスの患者が集団的に発生した地域にある名古屋市などの病院では、患者の受け入れによって、ほかの患者の手術を休止するなど、日常の医療に影響が出たりマスクや防護服が不足したりするなど、医療現場の負担が重くなっている実態が、NHKが行ったアンケート調査で分かりました。
名古屋市南東部では、ことし2月下旬からデイサービスの利用者を中心にクラスターと呼ばれる患者の集団が発生し、地域の病院で対応を迫られました。

NHKは先月、名古屋市の河村市長に負担軽減を求める要望書を提出した、この地域の10の病院にアンケートを行い、すべての病院から回答を得ました。

この中で「患者を受け入れた」と答えたのは6つの病院で「ほかの病気の患者について手術や検査を休止したり、別の病院に転院してもらったりした」とか「外来受診を停止した」などと答え、日常の医療に深刻な影響が出ていました。

また「困っていること」を聞いたところ、8つの病院が医療用のマスクや防護服などの不足を訴え、スタッフの疲労やストレスが蓄積しているとする回答が多く寄せられました。

さらにスタッフの子どもの保育園への受け入れが拒否されたと訴える病院もあり、ある病院は、患者の命を守ろうとしている中で「差別は納得できない」と記しています。

「病院内でおそれが先行し、対策が追いついていない」とか「常に綱渡りの心境だ」という回答もあり、クラスターの発生によって医療現場への負担が重くなっている実態が浮き彫りになりました。