米海軍 乗組員が感染の空母艦長を解任

米海軍 乗組員が感染の空母艦長を解任
アメリカ海軍は、乗組員が新型コロナウイルスに感染していることが確認された原子力空母「セオドア・ルーズベルト」の艦長を解任したことを明らかにしました。感染への緊急措置を求める軍の上層部への書簡を外部に漏えいさせたことなどが理由だとしています。
およそ5000人を乗せて太平洋に展開していたアメリカ海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」ではこれまでに乗組員114人が新型コロナウイルスに感染し、現在、グアムに停泊しています。

こうした中、アメリカ海軍のモドリー長官代行は2日、国防総省で記者会見し、空母のクロージャー艦長を解任したことを明らかにしました。

アメリカの複数のメディアは、クロージャー艦長が先月30日、海軍の上層部に書簡を送り、感染への緊急措置として、乗組員を直ちに陸上の施設に避難させるよう要請したと伝えていました。

解任の理由について、モドリー長官代行は艦長が書簡について、空母の直属の上司に一切相談していなかったことや書簡をメールで送付する際、部外者を含む20人から30人にも同時に送信し、外部に漏えいさせたことなどから、「指揮能力に関する信頼を失った」としています。

アメリカ海軍では近く、空母の乗組員のうち2700人を下船させ、停泊しているグアムのホテルで隔離するための準備を急ぐなど対応に追われていますが、感染がさらに広がれば空母の運用に影響が出ることも懸念されています。