乗客が感染の米クルーズ船 フロリダ州が入港認める

乗客が感染の米クルーズ船 フロリダ州が入港認める
乗客の一部が新型コロナウイルスに感染し、受け入れ先が決まらない状態が続いていたアメリカの会社が運航するクルーズ船が、フロリダ州に入港することが認められ、症状が重い人から船を下りることになりました。
アメリカ西部シアトルの会社が運航するクルーズ船「ザーンダム」は、先月7日、日本人2人を含む乗客乗員1800人以上を乗せて南米のアルゼンチンを出発し、21日にチリに到着する予定でした。

しかし、乗客2人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたほか、発熱などの症状を訴えていた4人が死亡し、チリでの入港を拒否されたうえ、予定を変更して目指したアメリカ・フロリダ州でも州知事が受け入れに難色を示していました。

運航会社は、人道上の危機だとして地元の自治体などと協議を続け、2日、「ザーンダム」が、別のクルーズ船とともにフロリダ東部の港に入ることが認められたと発表しました。

運航会社によりますと、症状が重い人から船を下りて医療機関で治療を受けるほか、健康な人は、貸し切りバスで空港に向かい、チャーター機などで帰路につくということです。

一方、症状が軽い人は、回復するまで船にとどまるとしています。

アメリカでは、新型コロナウイルスの感染拡大で医療現場の負担が高まっていて、「ザーンダム」の入港を認めるべきか、現地の行政機関が議論を続けていました。