都内の感染者 世田谷区が44人で最多 23区に集中 新型コロナ

都内の感染者 世田谷区が44人で最多 23区に集中 新型コロナ
東京都が新型コロナウイルスの感染者を居住地別にまとめたところ、世田谷区が44人と最も多くなるなど、23区に感染者数が集中する結果となっていることが分かりました。
東京都は先月末までに新型コロナウイルスに感染した人の数を感染者が居住する区市町村ごとにまとめました。

それによりますと世田谷区が44人で最多となっていて、次いで港区が39人、杉並区が28人、品川区が24人となっています。

また歌舞伎町など繁華街の関係者に感染者が増えている新宿区が22人となっていて、23区に感染者数が集中する結果となっています。

一方、大規模な院内感染が疑われている台東区の永寿総合病院の感染者を含む116人については調査中としています。
以下、目黒区 21人、練馬区 20人、中央区 19人、渋谷区 18人、台東区 15人、中野区 15人、大田区 15人、江東区 10人などとなっています。

世田谷区「住民が多いことが感染者の数に比例か」

新型コロナウイルスの感染者が最も多い世田谷区の担当者は「区内では今のところクラスターは発生していない。感染の分析はまだだが、世田谷区に住んでいる人が多いことが感染者の数に比例して表れているのではないか」と話していて、感染は別の地域で起こっているという認識を示しています。

杉並区 医療機関の役割分担 近く具体策

新型コロナウイルスについて都内で感染者が3番目に多い東京 杉並区の田中良区長は感染拡大で医療現場が崩壊しないよう、軽症の患者をみる医療施設を集約化させるなど国や都の対応を待たずに区内の医療機関の役割分担について近く具体的な対応を示すことにしています。

田中区長は先月末の時点で都内で3番目に多い28人が感染していたことについて「先月の3連休あたりから感染者の数が増え始め、非常に危機感を抱いている。すべての感染経路をたどれてはいないが区内の居酒屋やスナックなどの夜の繁華街で感染しているケースが一定程度見られる」と指摘しました。

そのうえで今後の対応について、感染がこのまま拡大すれば院内感染など、医療現場の崩壊につながるおそれが高まるとして、軽症の患者が訪れる医療施設を集約化させるなど、区内の医療機関の役割分担について検討を進めていることを明らかにしました。

すでに区内の主な医療機関などと話し合いを進めていて、近く具体的な対応を示すということです。

田中区長は「国や都の対応を待っているのではなく、新型コロナウイルスの実情にあわせてこちらから手を打っていかないといけない。制度がおいついていない部分も見切り発車で目標を決めてやっていく」と話しています。

新宿区長「感染経路が不明の感染者が急増」

都内の繁華街で新型コロナウイルスの感染者が増える中、繁華街の歌舞伎町がある新宿区の吉住健一区長がNHKの取材に応じ、「区内でクラスターは発生していないという認識だが、3月後半以降、感染経路が不明の感染者が急増している」と区内の感染状況を説明しました。

そのうえで吉住区長は「区内の感染確認者のうち、およそ4分の1が夜間営業に関わる業務に従事する人で、店の性質上、働いていることを隠している人がいたり、客側の匿名性も高かったりと、濃厚接触者の調査ができない事例も起こっている」と述べ、繁華街での感染経路の特定が難航している実態を明らかにしました。

さらに吉住区長は、感染者の受け入れ先の病院が近隣で見つからず、数時間かけて、遠隔地の病院を探す事態になっている現状を説明したうえで「ウイルスの感染拡大は地震などとは違って防げない災害ではない。医療崩壊を起こさないためにも手洗い、うがいの徹底や、リスクの高い飲食を避けるなど一人一人に感染防止のための行動をとってもらいたい」と呼びかけていました。

渋谷区長「大人数の宴会など 十分留意を」

渋谷区はここ数日、繁華街で新型コロナウイルスに感染したことが疑われるケースが増えているとしています。

このため区では、東京都の方針と同様に、
▼若者に対してカラオケやライブハウス、
▼中高年に対してバーやナイトクラブなど接客を伴う飲食店の夜間の利用を控えるよう呼びかけています。

渋谷区の長谷部健区長は「新年度を迎え、歓迎会などが開かれる時期ではあるが、大人数での宴会などは感染のリスクが高まるということに十分留意してほしい」とコメントしています。