米 シェールオイル企業が初の破綻 原油価格の急落で

米 シェールオイル企業が初の破綻 原油価格の急落で
これまで好調だったアメリカのシェールオイル関連企業が1日、経営破綻しました。背景には新型コロナウイルスの感染拡大による需要の減少に加え、サウジアラビアやロシアによる協調減産の打ち切りで原油価格が急落し、採算ラインを大幅に下回っていることがあり、景気が急速に悪化するアメリカ経済にとって新たな懸念となりそうです。
経営破綻したのはシェールオイルの開発や生産を手がける「ホワイティング・ペトロリアム」で、1日、日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11条の適用を裁判所に申し立てました。

新型コロナウイルスの感染拡大による需要の減少に加え、OPEC=石油輸出国機構とロシアなどによる協調減産が打ち切られたことで、ニューヨーク市場の原油の先物価格は一時、18年ぶりに1バレル=20ドルを割り込むなど急落しています。

これに対して南部テキサス州を中心にしたアメリカのシェールオイル業界は1バレル=50ドル前後が採算ラインとも言われ、今回の原油価格の急落を受けた経営破たんはこれが初めてと見られます。

こうしたシェールオイル関連企業は社債の1つにあたる「ハイイールド債」と呼ばれる信用力の低い債券を発行して資金を調達してきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の混乱で金利が急上昇し、資金繰りが難しくなっています。