日銀短観 急速に悪化 6月調査では一段と厳しい景気判断も

日銀短観 急速に悪化 6月調査では一段と厳しい景気判断も
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で企業の景気判断が急速に悪化していることが日銀が1日発表した短観=企業短期経済観測調査でわかりました。ただ、世界各地で外出や移動の制限が強化され、影響はさらに深刻化するとみる専門家も多く、次の6月の調査では一段と厳しい景気判断も予想されます。
1日発表された日銀の短観では、大企業製造業の景気判断の指数が0ポイントからマイナス8ポイントに下がり、7年ぶりにマイナスとなりました。

また、大企業の非製造業の指数も下がり、中でもホテルや旅館、飲食店が入る「宿泊・飲食サービス」は外国人旅行者の著しい減少などが響いて過去最低のマイナス59に急落し、新型コロナウイルスの影響で企業の景気判断が急速に悪化していることが明らかになりました。

ただ、今回の調査は先月上旬までに7割の企業が回答を済ませ、感染拡大が欧米で深刻化し経済活動が停滞している現状が反映されていない可能性があります。

世界各地で外出や移動の制限が強化され、今後、輸出や生産などがさらに落ち込み、経済への影響はますます大きくなると多くの専門家がみています。

次の短観の調査はことし6月に行われますが、国内でも感染拡大が続き、さまざまな自粛が要請される中、一段と厳しい景気判断も予想されます。