東京五輪延期 競技団体で強化費不足のおそれ 数千万円規模も

東京五輪延期 競技団体で強化費不足のおそれ 数千万円規模も
東京オリンピックが1年延期されたことで、一部の国内競技団体で選手の強化費が不足するおそれがあることがわかりました。このうちボクシングでは来年夏にかけての強化費が大幅に膨らむため、数千万円の資金不足が見込まれ、連盟が急ピッチで資金繰りを進めています。
日本ボクシング連盟はこの2年間、東京オリンピックに向けた選手強化に多くの予算を割き、2019年度は海外遠征や合宿を合わせて17回行うなど、強化費としておよそ7400万円の支出があったということです。

これは例年より2000万円以上多く、連盟は積立金を取り崩したり、加盟する都道府県の連盟から緊急に資金を集めたりしてまかないました。

2020年度はオリンピックの後の国際大会への派遣を減らすなどして強化費を4200万円に抑える計画でしたが、大会が1年延期されたため夏以降の海外遠征や合宿を増やさなければならず、このままでは数千万円の不足が見込まれるということです。

このため連盟はグッズの販売や新たなスポンサーの獲得に取り組むなど急ピッチで資金の確保を進めていますが、オリンピックに向けた選手強化に影響が出るおそれがあるということです。

オリンピックの延期に伴って強化費が足りなくなるという懸念の声は資金力に乏しいほかの国内競技団体からも上がっています。

日本ボクシング連盟の菊池浩吉副会長は「この2年間、かなり無理をしてきてもう限界に来ているが、ここで強化の手を緩めることは考えていない。資金不足はどうしても出てくるが、連盟でなんとかするから選手は心配せずオリンピックに集中してほしい」と話していました。