死者1万2000人超のイタリア 各地で犠牲者を追悼 新型コロナ

死者1万2000人超のイタリア 各地で犠牲者を追悼 新型コロナ
新型コロナウイルスによる死者が世界で最も多くなっているイタリアでは31日、犠牲者を追悼するため各地で黙とうがささげられました。これまでに死亡した人は1万2000人を超えていて、対応にあたる医療従事者が感染するケースも相次ぎ大きな課題となっています。
イタリアでは31日、各地の自治体の呼びかけで新型コロナウイルスに感染して死亡した人を追悼し、医療現場で働く人たちに連帯を示すため黙とうがささげられ、政府の建物では半旗が掲げられました。

イタリア政府によりますと、これまでに1万2428人が死亡し、死者が世界で最も多くなっているほか、10万5792人の感染が確認されています。

国立の衛生研究所によりますと、医療従事者の感染も9512人に上っていて、このうち感染が最も深刻な北部ロンバルディア州の病院ではこれまでに医師や看護師など250人が感染したということです。

ロンバルディア州の病院の看護師長は、NHKの取材に対し、マスクや防護服は足りているものの長時間の勤務や重症の患者への難しい対応などが重なる中で無意識に目や鼻を触り感染してしまうケースもあると説明しました。

そのうえで看護師長は、家族とことばを交わせないまま亡くなる患者も多いと指摘し、「仕事が終わると涙を流しつらさを語る同僚も多い」と訴えました。医療従事者が精神的にも厳しい状況に置かれる中、感染をどう防ぐかが大きな課題となっています。