中国政府 新型コロナに感染も無症状の人の状況発表へ

中国政府 新型コロナに感染も無症状の人の状況発表へ
中国政府は、新型コロナウイルスに感染しながらも無症状だったことを理由に公表してこなかった感染者の状況を1日から発表する方針を示しました。情報の公開が不十分だとする国内外からの批判をかわすねらいがあるとみられます。
中国の保健当局、国家衛生健康委員会の常継楽局長は31日、湖北省で開いた記者会見で「4月1日から無症状の感染者について公表し社会の懸念に答えていく」と述べ、今後は無症状の感染者の状況についても毎日、公表する方針を示しました。

中国政府は新型コロナウイルスに感染しても無症状の人については14日間の隔離の対象にする一方、周りの人に感染させる可能性は比較的低いとして、感染者の統計に加えず公表してきませんでした。

しかし、国内からは情報が不透明だなどと不満の声があがっていたほか、国際社会からも、中国が公表する数字は実態を反映していないのではないかという声が強まっていて、中国政府としてはこうした国内外からの批判をかわすねらいがあるとみられます。

国家衛生健康委員会は、31日の段階で経過を観察している無症状の感染者は1541人だと明らかにしていますが、香港の英字新聞、「サウスチャイナ・モーニングポスト」は中国政府の非公開の記録に基づき、無症状の感染者が2月末の時点では4万3000人以上に上っていたと伝えています。

この問題をめぐっては中国の研究チームが3月になって無症状の感染者から濃厚接触者にウイルスが感染する確率は、症状がある感染者と大きな差はないという調査結果を発表していました。