志村さんの遺骨 親族の元に 感染者の遺体にも注意 新型コロナ

志村さんの遺骨 親族の元に 感染者の遺体にも注意 新型コロナ
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新型コロナウイルスによる肺炎のために亡くなったコメディアンの志村けんさんの遺骨が東京 東村山市の親族のもとに戻り、志村さんの兄は「ひつぎに向かって『よくがんばったね』と声をかけました」と語りました。
コメディアンの志村けんさんは29日、新型コロナウイルスによる肺炎のために亡くなり、兄の志村知之さんは遺骨を受け取って東京 東村山市の自宅に戻りました。

知之さんは病院で、志村さんのひつぎを見ることができたものの、感染を防ぐため顔を見ることはできず、火葬にも立ち会うことはできなかったということです。

そして、受け取った志村さんの遺骨を持って自宅に入る前に報道陣の取材に応じ、「遺骨はまだ温かいです。火葬の前に顔を見られなかったのは残念ですが、新型コロナウイルスの感染防止のためにはやむをえない思います。ひつぎに向かって『長い間お疲れさま。よくがんばったね』と声をかけました」と語りました。

そのうえで、「新型コロナウイルスは感染すると本当に怖いということを多くの人が自覚を持ってほしいです」と訴えました。

厚労省 感染者の遺体 注意点まとめる

厚生労働省は新型コロナウイルスに感染して死亡した人の遺体を搬送したり、火葬したりする際に注意すべきことをまとめています。

まず、遺体はウイルスが付着した血液や体液などを通さない「非透過性」の袋に納めることが望ましいとしています。この袋を使った場合、特別の感染防止策は不要で、遺族などが遺体を搬送しても差し支えないとしています。

一方、葬儀場の従業員など継続的に遺体の搬送や火葬を行う人は必ず手袋を着用し、体液などが顔に飛び散る可能性がある場合は、マスクやゴーグルを使うよう呼びかけています。また、衣服が汚染されるのを防ぐため、使い捨てのガウンを着ることが望ましいとしています。

そして、火葬の前に遺族などが遺体に触れたいと希望する場合は手袋を着用するよう依頼することを求めていて、遺体に触ったあとは、手洗いやアルコール消毒が必要だとしています。

また厚生労働省は30日、都道府県を通して医療機関に通知を出し、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人や、その疑いがある人については遺体を引き渡す際、搬送や火葬の作業にあたる人に感染者であることを伝えることや伝える相手を必要最低限にするなどプライバシーの保護にも十分配慮するよう求めました。

厚生労働省は「感染を防ぐための対策をきちんと講じることができる場合は通常の葬儀を行うことに問題はなく、遺族の意向を尊重してほしい」としています。

東村山市「献花自粛を」

コメディアンの志村けんさんの出身地、東京 東村山市は駅前の献花台に大勢の人が訪れることで新型コロナウイルスの感染拡大のリスクも高まるとして献花を控えるよう呼びかけています。

新型コロナウイルスに感染し、入院して治療を受けていた志村けんさんがおととい(29日)亡くなったことを受けて、

西武新宿線の東村山駅前にある「志村けんの木」の周辺には志村さんの死を悼む多くの人が訪れ、路上やバス停などに献花やお供え物が置かれたことから市は30日、献花台を急きょ設置しました。

しかし、31日になって訪れる人がさらに増え、駅やバスの利用者の通行の妨げになっているほか、行列ができて人が密集する状況もできているということです。このため、市は現地に職員を派遣し、短時間で立ち止まらず移動するよう呼びかけているということです。

東村山市の担当者は「大勢の人が集まり、滞留すると新型コロナウイルスの感染拡大のリスクも高まる。天国の志村さんもそうならないよう危惧しているはずで、ファンのみなさんも現地を訪れるのは控えてほしい」と呼びかけています。