新型コロナウイルス「アジアでの収束は程遠い」WHO

新型コロナウイルス「アジアでの収束は程遠い」WHO
日本や中国などアジア地域を管轄するWHO=世界保健機関の責任者は新型コロナウイルスの感染拡大の中心は欧米に移っているものの、アジア地域についても「収束には程遠い」という認識を示し、各国に対策の徹底を呼びかけました。
日本や中国を含む東アジアや東南アジアなど37の国や地域を管轄するWHO西太平洋地域事務局は、31日インターネットを通じて会見を開きました。

この中でトップの葛西健事務局長は「アメリカやヨーロッパで急速な感染拡大が見られ、世界的な大流行『パンデミック』の新たな中心地と見られるようになっているが、アジア地域での感染拡大も収束には、程遠い状態にある」と述べました。

そのうえで「パンデミックが続いているかぎり、アジア地域でさらに大規模な感染拡大が起きる危険性は減っていない。各国には感染者とその周辺の人の早期の発見と隔離を引き続き、国を挙げて行ってほしい」と述べ、感染拡大防止に向けた対策の徹底を改めて呼びかけました。

さらにWHOの医療技術担当者は、アジア域内で医療関係者の防護服のほか治療に使う人工呼吸器などが全く足りておらず、現場の医療機関が厳しい対応を強いられているとして域外からの協力が急務だと訴えました。