南アフリカ 新型コロナ対策で貧富の格差浮き彫りに

南アフリカ 新型コロナ対策で貧富の格差浮き彫りに
南アフリカでは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため全土で外出禁止の措置がとられていますが、経済的に貧しい黒人が多く暮らす地区では、社会手当を受け取って買い物に出かける人などで混雑が生じ、対策の徹底を難しくしています。
南アフリカでは、これまでに1326人の感染が確認され、3人が死亡していて、アフリカ大陸では感染の広がりが最も深刻になっています。

27日からは全土で外出禁止の措置が取られていますが、白人を中心に富裕層が暮らす住宅街などでは住民が自宅にとどまっているのに対し、経済的に貧しい黒人が多く暮らす地区では、大勢が外出を続けています。

30日は公的年金や社会手当の支給日にあたり、最大都市ヨハネスブルク近郊のソウェト地区にあるショッピングセンターも多くの高齢者で混み合っていました。

67歳の女性は「外出禁止が始まる前に食料を買いだめしたかったがお金がなかったので年金の支給を待っていた」と話していました。

また、69歳の男性は、「人混みを避けるべきなのはわかっているが、食べ物を買いに来るしかない」と話していました。

この地区には、日雇いの仕事でその日食べる分だけの食料を買う人が少なくないほか、狭い家に密集して暮らす人も多く、日々の外出は避けられないのが現状で、貧富の格差が新型コロナウイルスの対策の徹底を難しくしています。