株価 終値1万8917円1銭 1年間で10%余り値下がり

株価 終値1万8917円1銭 1年間で10%余り値下がり
年度末の31日の東京株式市場、日経平均株価の終値は1万8900円余りで今年度の取り引きを終え、この1年間でおよそ2200円、率にして10%余り値下がりしました。
年度末の31日の東京株式市場、日経平均株価の終値は前日より167円96銭安い1万8917円1銭でした。

これは1年前の2万1205円81銭から2288円80銭、率にして10%余り下落し、2年連続の値下がりでした。

また、東証株価指数=トピックスは、1403.04となり1年前より188.60ポイント、率にして11%余り値下がりし、こちらも2年連続の下落です。

今年度の日経平均株価は、アメリカと中国の貿易交渉に振り回される展開が続きましたが、交渉の進展をきっかけに上昇を続け、去年12月と、ことし1月には2万4000円を超える水準まで値上がりしました。

しかし、その後、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、世界経済に深刻な打撃を与えるとの見方が強まって、株価は記録的な値下がりが続きました。

一方、東証1部に上場する企業全体の時価総額は530兆6121億円余りと、1年前より68兆円余り減りました。

株価の下落は、株式を保有している企業の損失につながるおそれがあるほか、年金の運用などを下振れさせる可能性もあり、今後、発表される企業の決算や暮らしへの影響も懸念されます。

専門家「底値探る展開に」

日経平均株価がこの1年で10%余り値下がりしたことについて、ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「昨年の年度末と比べるとそれほど下がっていないように見えるが、ことしに入ってから株式市場は急変していて、株価の下落はリーマンショック並みのスピードだし、実体経済へのマイナスの影響はリーマンを超える」と話しています。

そのうえで、今後の見通しについては「治療薬ができるとか、新規感染者数が減少するというようなよいニュースが出てくれば状況は一変するだろう。しかし、現状は感染者数がいつ減少するのか誰も見通せない状況で、株式市場は強気にはなれず、底値を探る展開がしばらく続くのではないか」として、当面は不安定な値動きが続くという認識を示しました。

また、今後重要なことについては「今までの危機と決定的に違うのは、危機が起こった直後に雇用が悪くなっているということだ。感染拡大を防止しながらできるだけ失業、倒産をおさえて自殺のような経済的に亡くなる方をできるだけ少なくするような政策運営が日本や各国で必要になる」と述べて、雇用が維持され会社が倒産しないような政策を早急に打つ必要があると指摘しました。