欧州 医療従事者の感染も増加 医療現場の負担緩和が急務

欧州 医療従事者の感染も増加 医療現場の負担緩和が急務
ヨーロッパでは新型コロナウイルスに感染する医療従事者が相次ぎ、急増する患者への対応に追われる医療現場の負担はさらに増しています。感染者数で中国を上回ったスペインでは感染者の14%が医療従事者で、政府は患者を、比較的、感染が広がっていない地域に移すなど対策を検討しています。
スペインでは30日、新型コロナウイルスの感染者が前日よりおよそ6400人増えて8万5195人となり、中国の感染者数を上回って、アメリカ、イタリアに次いで3番目に多くなりました。

スペイン政府によりますと、感染者の14%にあたる1万2298人は医療従事者で、感染拡大が深刻なマドリード州や、北東部カタルーニャ州で特に多くなっているということです。

こうした地域では、重症患者が増える一方で治療にあたる人材が減り、医療現場の負担が急激に増しているということです。

こうした状況を受けてスペインのイジャ保健相は30日、症状の重い患者を、比較的、感染が広がっていない別の地域の病院に移すなど現場の負担を緩和する方法を検討していることを明らかにしました。

死者数が最も多いイタリアでも、医療従事者の感染は30日の時点で9000人近くに上っていて、医師会連盟のまとめでは、これまでに63人の医師が感染して死亡したということです。

医師会連盟は30日、声明を発表し、政府に対して、すべての医師に医療用のマスクを支給することや、医師がウイルスに感染していないか定期的に検査を行うよう求めました。