「夜間~早朝の酒場などへの出入り 当面自粛を」小池都知事

「夜間~早朝の酒場などへの出入り 当面自粛を」小池都知事
k10012358481_202003302046_202003302102.mp4
東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大していることをうけて、東京都の小池知事は30日午後8時半ごろから緊急の記者会見を開き、夜間から早朝にかけて営業する接客を伴う飲食業の場で感染したことが疑われる事例が多発していると指摘しました。そのうえで、都民に対し、カラオケやライブハウスのほか、バーやナイトクラブといった接待を伴う飲食店などに行くことは当面、自粛するよう呼びかけました。
東京都の小池知事は新型コロナウイルスの感染が拡大していることをうけて、30日午後、感染症の専門家を交えて現状の分析を行い今後の対策を検討したあと、30日夜8時半ごろから緊急の記者会見を開きました。

「夜間の酒場 出入り自粛を」

この中で小池知事は「厚生労働省のクラスター対策班の専門家の報告によると、感染経路が不明な症例のうち、夜間から早朝にかけて営業しているバーやナイトクラブ、酒場など接客を伴う飲食業の場で感染したと疑われる事例が多発していることが明らかになってきた」と述べました。

そして、「こうした場は、感染のリスクが高いと言われる『換気の悪い密閉空間』『多くの人の密集する場所』『近距離での密接した会話』の3つの密が、より濃厚な形で重なる場となっている」と述べました。

そのうえで小池知事は、「クラスター対策班からの指摘も踏まえ、都民にはこうした場への出入りを控えていただくようお願いしたい。特に若者については、カラオケやライブハウス、中高年については、バーやナイトクラブなど接待を伴う飲食店などに行くことは、当面、控え、自粛していただきたい」と述べました。

また小池知事は「新型コロナウイルス感染症を原因としてさまざまな影響を受けている宿泊施設や飲食店、中小企業やその従業員へのさらなる支援を国に強力に要望することと同時に都独自の対策も今後、考えていきたい」と述べました。

「命を守るため 協力を」

小池知事は「感染しても症状の出ない方、症状の軽い方が無意識のうちに、ウイルスを拡散させることないよう、一人一人が自分自身のことと考えて、適切な行動をとっていただきたい」と呼びかけました。

そのうえで小池知事は「感染者の爆発的増加、いわゆるオーバーシュートを回避し、命を守るため、都民の皆様のご協力を改めてお願い申し上げます」と述べました。

「症状に応じた医療体制構築する」

また、「患者数の増加がゆっくりであれば、受け入れ病床も比較的余裕をもつことができるが、増加が急激になると、受け入れ体制はひっ迫することになる」と述べました。

そのうえで小池知事は「都ではこれまでも患者数の増加に備え、感染症指定医療機関を中心とした入院医療体制の確保を図ってきた。現在、500床の受入体制をすでに確保している。今後、患者が大幅に増加した事態に備え、最終的には都内全体で4000床を確保することを目標として、東京都医師会の御協力をいただきながら、症状に応じた医療提供体制の構築を進めていく」と述べました。

「医療体制を危機に追い込まないために」

さらに「患者数が急激に増加し、医療体制がひっ迫した状況となった場合には、症状がない方や、比較的軽症の方を中心に自宅や宿泊施設での療養をお願いする場合も出てくる。その際にも安心して療養いただけるよう、国とも十分に協議しながら、体制を整備して参りたい」と述べました。

そして「医療は、都民の皆様にとって守るべき共通の財産だ。先日来、お願いしている感染拡大防止のための取り組みは、医療体制を危機的な状況に追い込まないための重要な対策だ。都民の皆様にも、このことをご理解いただき、引き続き感染拡大の防止にご協力をお願いしたい」と呼びかけました。

「原則 毎日定時に患者発生数を公表」

また今後の感染者の発表方法について「患者発生数がこのところ増えていて状況把握に時間がかかっている。そのため、発表時刻が遅くなる状況が生じてきた。ついては速報性を重視し、原則として毎日定時に、その日の患者発生数を公表してこれまでの確定患者との濃厚接触がある方の数、重症者数、年代、性別ごとに集計した数などを示すことにする」と述べました。