中国からのマスク輸入 世界的な感染拡大で安定調達が課題に

中国からのマスク輸入 世界的な感染拡大で安定調達が課題に
深刻なマスク不足が続く中、政府が一括購入したマスクのうち、中国から輸入した1000万枚が届きました。中国からの輸入は回復しつつありますが、世界各国がマスクの確保に乗り出していることもあり、安定した調達が課題となっています。
政府は1500万枚のマスクを一括して購入し、順次、全国の医療機関に配布しています。

このうち中国から輸入した1000万枚が30日、配送の拠点となる千葉県内の倉庫に届きました。

中国は、世界的なマスクの生産地ですが、新型コロナウイルスの感染拡大で生産や物流が滞り、一時、日本の輸入量も大きく減少しました。

現在の輸入量は週に1000万枚程度で、政府は4月には、週に3000万枚程度にまで増やしたいとしています。

しかし今回の輸入を担った商社によりますと、世界的な感染拡大に伴って、各国が中国製のマスクの確保に乗り出しているため、安定した仕入れが難しくなっているということです。

商社の担当者は「中国国内でも、日本の10倍以上の使用量があることに加え、世界的なマスク不足を受けて各国の争奪戦となっている。今回は、なんとか集められて奇跡的だと感じるほどだ」と話していました。

政府としては、外交ルートを通じてマスクの確保と円滑な輸出につながるよう中国側に働きかけたい考えで、配送の拠点を視察した経済産業省の牧原副大臣は「医療用が最優先だが、増産体制も整え、消費者の手元に1日でも早く届くようにしたい」と述べました。