新型コロナウイルス 外国語での相談はどこに?

新型コロナウイルス 外国語での相談はどこに?
厚生労働省はことし1月から新型コロナウイルスに関する電話の相談窓口を設けていますが、外国語での相談には対応していません。外国語で相談を希望する場合はどこに相談すればいいのでしょうか?
外国語で相談を希望する場合は、観光庁が設けている外国人観光客向けの電話相談窓口か、都道府県や市区町村の一部が設けている外国語での相談窓口を利用してほしいとしています。

このうち観光庁の電話窓口は、災害時などに外国人観光客の相談に対応するため、おととし開設されたもので、英語、中国語、韓国語で24時間、毎日相談することができます。

観光庁によりますと、ことし1月以降は新型コロナウイルスに関連する相談が寄せられるようになり、今月22日までの相談件数は、およそ4500件にのぼっています。

また東京都は、新型コロナウイルスに関するコールセンターを設けていて、先月28日からは英語、中国語、韓国語での相談にも対応しています。

都によりますと、今月22日までに寄せられた外国語での相談は246件で、新型コロナウイルスに感染しているのではないかという内容や、感染した場合の治療法や予防のしかたについての相談が多いということです。

さらに東京都は、医療に関する相談に英語、中国語、韓国語、タイ語、スペイン語で対応する電話窓口も以前から設けていて、ここにも、「検査がしたい」とか、「雇用主から、感染していないことを示す証明書をもらってこいと言われたが、どうすればいいのか」といった声が寄せられているということです。

また、感染が疑われる場合には、保健所などが対応している「帰国者・接触者電話相談センター」が窓口となりますが、東京都の市区町村が設置しているセンターの多くでは外国語で相談できる態勢は整っていないということです。

6つの言語対応の神奈川県の病院に外国人相次ぐ

新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、外国の6つの言語での診療体制を整えている神奈川県の医療機関には不安を訴えて診察に訪れる外国人が相次いでいます。

神奈川県大和市にある「小林国際クリニック」では、外国人が相談しやすいように英語や韓国語、それにタガログ語など6つの言語で診察が受けられる体制を整えています。

今月に入ってからは新型コロナウイルスに関する相談が増えていて、28日も外国人が相次いで診察に訪れました。

クリニックを訪れる外国人からは新型コロナウイルスに感染しているのではないかという相談や、検査を受けられないかという問い合わせなどが相次いでいるということです。

診察を受けた58歳のフィリピン人の男性は、「心配で、ふだんはインターネットで情報を得ています。日本語が話せないので、ほかの病院では医師とうまくコミュニケーションが取れないときがあります」と話していました。

小林国際クリニックの小林米幸 院長は「日本人であっても新型コロナウイルスの検査を受けるまでのしくみを理解するのが難しいのに、外国人に情報はほとんど行き渡っていないと思う。日本で暮らす外国人や観光客が増えているいま、日本人にとって大切な情報は外国人にとっても大切だ」と話していました。