新型コロナウイルスの感染拡大で経済に深刻な影響が出ているため、安倍総理大臣は、強大な経済財政政策を講じるとして、28日、追加の経済対策の策定と新年度の補正予算案の編成を指示する方針です。経済対策のうち、現金の給付については、所得の低い世帯に加えて、所得が減少した世帯などにも給付する方向で調整が続いています。

高等教育の無償化や、去年策定した経済対策の費用などが盛り込まれた一般会計の総額が過去最大の102兆円余りとなる新年度予算は、27日参議院本会議で可決・成立しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、27日まで行われた安倍総理大臣と閣僚らによる「集中ヒアリング」では、業界関係者や専門家などから、経済面での影響は深刻だとして、大胆な消費刺激策や雇用の維持を求める意見が相次ぎました。

安倍総理大臣は強大な経済財政政策を講じ、日本経済をＶ字回復させたいとして、28日、生活が苦しい人や中小企業などへの当面の支援策、それに、感染拡大を抑制したあとの需要喚起策などを盛り込んだ、追加の経済対策の策定と新年度の補正予算案の編成を指示することにしています。

追加の経済対策のうち、現金の給付については、所得の低い世帯に加えて、所得が減少した世帯などにも給付する方向です。

与党内からは、「10万円を給付すべきだ」などといった声が出ていることから、対象者や金額をめぐって調整が続いています。

このほか、経営が悪化した企業が雇用を維持するための「雇用調整助成金」の拡充、旅行やイベントなどに使えるクーポン券の発行、それに、地方自治体を財政的に支援するための臨時交付金の創設などが検討されていて、政府は、与党からの提言を踏まえ、来月上旬にも経済対策をまとめることにしています。

一方、27日の参議院予算委員会で、野党側は新型コロナウイルスの感染が広がる中、安倍総理大臣の夫人の昭恵氏が、花見をしている写真がインターネット上に出回っていると指摘しました。

これに対し、安倍総理大臣は、都内のレストランで知人と会合を持った際の記念撮影だとしたうえで、「東京都が自粛を求めている公園での花見のような宴会を行っていたという事実はない」と説明しました。