戦争関連の慰霊祭 相次いで中止に 新型コロナウイルス影響

戦争関連の慰霊祭 相次いで中止に 新型コロナウイルス影響
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終戦から75年のことし、新型コロナウイルスの影響で太平洋戦争関連の慰霊祭が相次いで中止になっています。専門家は「慰霊祭は平和への意識を受け継ぐ貴重な機会になる」として、感染の拡大につながらないよう会場などの工夫をしながら継続を模索することが必要だと指摘しています。
このうち75年前の昭和20年、日米双方でおよそ2万8000人が戦死した小笠原諸島の硫黄島では、毎年、日米合同で追悼式を行ってきましたが、28日に予定されていた式典が中止になりました。

また、同じ昭和20年にアメリカ軍が上陸した沖縄県の渡嘉敷島では、いわゆる「集団自決」で多くの人が命を絶った3月28日に開いている慰霊祭が中止になり、28日は参拝を希望する人たちのために焼香台などが設けられます。

このほか、多くの若者が特攻隊員として出撃した鹿児島県南九州市の知覧町で5月に予定されていた慰霊祭の中止が決まるなど、各地で慰霊祭の中止が相次いでいます。

こうした状況について、立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長の安斎育郎さんは、「慰霊祭は、これからの世代の人たちに平和への意識を受け継いでもらう非常に貴重な機会になる。大人数が1つの会場に集まるのが困難であれば、慰霊台を一定の距離を離して置いて、それぞれ訪れてもらうなど、有効な手段を編み出して実行してもらいたい」として、感染の拡大につながらないよう工夫しながら、継続を模索することが必要だと指摘しています。