EU首脳会議 イタリアなどへ新たな財政支援見送り 新型コロナ

EU首脳会議 イタリアなどへ新たな財政支援見送り 新型コロナ
EU=ヨーロッパ連合は、新型コロナウイルスへの対応を協議するため、テレビ電話による緊急の首脳会議を開きましたが、イタリアなどが求めたEUの基金を活用した新たな財政支援策は見送られました。
EU域内では、新型コロナウイルスの感染を抑え込むため各国が外出禁止などの措置を取っていますが、その分、消費が落ち込むなどの経済への影響も拡大しています。このためEUは、これまでに既存の基金を活用するなどして、加盟国の医療体制の強化や企業を救済する策を打ち出しています。

さらなる対策を協議するためEUは26日、テレビ電話による首脳会議を開きました。

会議では感染拡大が著しいイタリアやスペインなどが、大規模な対策に迫られているとして、財政状況の厳しい加盟国を支援するための基金も活用することや、ユーロ圏の各国が共同で発行し資金を調達する「ユーロ共同債」の発行を求めましたが、ドイツやオランダの反対で見送られました。

会議後の記者会見でEUのミシェル大統領は「すべての可能性を議論したが、まだ努力を続けなければならない」と述べ、各国の意見が一致していないことを認めました。

各国はユーロ圏財務相会議を通じて今後2週間以内に打開策を打ち出す方針ですが、各国の隔たりは大きくどこまで歩み寄れるかが焦点となります。