「感染の増加は氷山の一角」国連事務総長が危機感

「感染の増加は氷山の一角」国連事務総長が危機感
国連のグテーレス事務総長は、G20=主要20か国の首脳によるテレビ会議で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大について、「感染者は加速度的に増加しているが、氷山の一角にすぎない」として危機感を示しました。
国連によりますと、グテーレス事務総長は、世界で40万人を超えた新型コロナウイルスの感染者について、「最初の10万人になるのに3か月かかったが、次の10万人は12日、次の10万人は4日、そして4回目の10万人はわずか1日半だ。加速度的な増加であるが、同時に氷山の一角にすぎない」と述べて、危機感を示しました。

そのうえで、最貧国や途上国でのさらなる感染を防ぐため、各国の中央銀行が連携して債務の利払いを猶予したり、国際社会が経済制裁を科している国に対し、制裁を緩和したりする措置を検討するよう提案しました。

こうした中で北朝鮮やシリア、イランなど国連安全保障理事会の決議やアメリカ政府の独自制裁の対象となっている7か国と安保理の議長国、中国の国連大使が25日、グテーレス事務総長宛てに経済制裁の即時解除に取り組むよう要請する書簡を連名で送ったことが明らかになりました。

グテーレス事務総長は、こうした国への人道支援について迅速で無条件の実施の重要性を強調していますが、安保理やアメリカは、別の目的に流用されないよう透明性が確保される人道支援に限って認めていて、今後、調整が行われるのか注目されます。