新型コロナウイルス 南アフリカの全土で厳しい外出規制始まる

新型コロナウイルス 南アフリカの全土で厳しい外出規制始まる
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アフリカ最大の工業国で多くの日本企業も進出する南アフリカの全土で、26日から厳しい外出規制が始まりました。しかし、現地では、医療体制が不十分なうえ、治安情勢も不安定なため、混乱の広がりが懸念されています。
南アフリカでは、今月5日に最初の感染者が確認されてから感染が急速に広がっていて、感染者数は26日までに900人を超えました。

こうした事態を受けて、南アフリカ政府は、26日深夜、日本時間の27日午前7時から、全土で厳しい外出規制を始めました。

期間は3週間の予定で、医療や治安関係者などを除くほとんどの国民が自宅にとどまることが義務化されるほか、航空便の運航がすべて停止され、国外に出ることができなくなります。

病院での治療や食料品の買い物の際の手続きもはっきりしておらず、国民に不安が広がっています。

また、南アフリカでは、一部の富裕層向けの病院以外は医療水準が低く、新型コロナウイルスに対するぜい弱性が指摘されています。

北部リンポポ州の公立病院でも医療設備が足りておらず、保健省の職員は、「人工呼吸器の使い方を知るどころか、見たこともないだろう」と話していました。

南アフリカでは、免疫力を破壊するエイズウイルスへの感染率が成人の20%を超えていて、感染者の28歳の女性は、「新型コロナウイルスにも感染しやすいと聞いていて、不安だ」と話していました。

さらに、貧富の格差を背景に凶悪犯罪も多く、政府は、軍の部隊も動員して暴動などが起きた場合に対応することにしていますが、混乱の広がりが懸念されています。