高松塚古墳の壁画 修復終了 奈良 明日香村

高松塚古墳の壁画 修復終了 奈良 明日香村
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奈良県明日香村にある国宝の高松塚古墳の壁画はカビによる劣化が起こり、12年にわたって修復作業が行われてきましたが、文化庁は26日、修復が終わったと発表しました。
飛鳥美人の名前で知られる「女子群像」などが描かれた高松塚古墳の壁画は、文化庁の対策が不十分で、大量のカビが生えるなどして劣化が進み、平成19年に古墳から取り出されて、近くの施設で修復が進められていました。

修復技術の開発に時間がかかり、もろくなった下地のしっくいを天然素材のにかわなどを使って慎重に補強するなどしたため、修復作業は、予定より2年長い、およそ12年におよびましたが、文化庁は26日、修復が終わったと発表しました。

修復後の「女子群像」では、カビなどで黒ずんでいた4人の女性の顔や上半身の表面の汚れが除かれ、顔つきが鮮明になったほか、衣装に描かれたしわも見えやすくなっています。

一方、方角の守り神の1つ、「白虎」は汚れは取れましたが、胴体の線は薄くなったままです。

文化庁などは壁画を保存・公開する施設の建設を検討していて、記者会見した文化庁古墳壁画室の宇田川滋正 調査官は「修復に尽力してくれた多くの機関に感謝したい。今後は、適切に維持管理したい」と話していました。

明日香村 森川村長「できるだけ早く公開を」

地元の奈良県明日香村の森川裕一村長は「全力で対応していただいたことに、まずお礼を申し上げたい。地域の大きな財産として、今後も輝かせることが大切で、できるだけ早く公開していただけるよう、取り組みを加速してほしい」と話しています。

高松塚古墳 壁画のこれまで

奈良県明日香村の高松塚古墳の石室から色鮮やかな壁画が見つかったのは昭和47年でした。

飛鳥美人として知られる「女子群像」、方角の守り神、玄武と白虎、それに青龍など極彩色の壁画が見つかり、「世紀の発見」として注目されました。

文化庁は壁画を良好な状態で保存するためだとして、専用の施設を設けて石室を密閉し、国宝の壁画は公開されないままとなりました。

ところが、石室の内部で昭和50年代から大量のカビが発生し、飛鳥美人の顔に黒いシミが見つかるなど壁画の劣化が進みました。

また、「白虎」は発見当時に比べて顔の輪郭が薄くなり、極彩色とは程遠い姿になっていました。

石室の閉鎖された環境で1300年近く鮮やかな色彩を保ってきた高松塚古墳の壁画でしたが、カビの対策が不十分だったことや文化庁が保存を現場に任せたまま、チェックを十分に行わなかったことが原因と指摘されています。

さらに、平成14年には文化庁の担当者などが壁画に傷をつけながら公表せず、ひそかに補修していたこともわかりました。

文化庁は平成16年に一連の問題が明らかになったあと、対策に乗り出し、平成19年に石室の壁ごと壁画を古墳の近くの施設に移し、修復作業を進めていました。