“自宅待機など厳重対策で全米死者10分の1に” 研究グループ

“自宅待機など厳重対策で全米死者10分の1に” 研究グループ
アメリカでの新型コロナウイルスの感染拡大について、対策を全く取らなかった場合、全米でおよそ220万人が死亡するおそれがある一方、自宅待機など対策を十分に取れば、死者は10分の1程度に抑えられるとする分析結果を、イギリスなどの研究グループがまとめました。
イギリスの大学、インペリアルカレッジ・ロンドンなどの研究グループは、外出制限や休校など人の移動や接触を抑制する措置がアメリカでの感染者数の増加にどの程度影響を与えるか分析した結果を、大学の公式サイトで公表しました。

それによりますと、今回のウイルスが1人の感染者から2人ないし3人に感染するとした場合、感染の拡大を防ぐ措置を何も取らなければ、重症者の数は6月中旬まで増え続け、死者はおよそ220万人に上ると予測しています。

これに対し感染者の多くが自宅にとどまって家族以外の人との接触を避けたり、学校や大学を休校にしたりするなど、最も厳重な対策を5か月以上継続した場合、重症者の数が最大になる時期も12月まで遅らせることができるほか、死者数も何もしない場合に比べて10分の1程度に抑えられるとしています。

一方で、最も厳重な対策を取っても、重症者の数は、医療機関の集中治療室の対応能力を大幅に超えることが想定されるとしています。

こうした対策は人々の生活や社会に与える影響が大きいことから、研究グループは大きな負担にならない程度の対策を2か月行ったあと1か月間は元に戻し、再び対策を取るといった周期を繰り返すことで、被害を抑えられる可能性もあると指摘しています。