「先進国は医療態勢がぜい弱な国も支援を」国連事務次長

「先進国は医療態勢がぜい弱な国も支援を」国連事務次長
世界の各地で新型コロナウイルスの感染が確認されるなか、北朝鮮や内戦が続く中東のイエメンからはWHO=世界保健機関に対していまだに感染者の報告が1件もなく、国連は懸念を強めています。
OCHA=国連人道問題調整事務所のトップ、ローコック国連事務次長はNHKのインタビューで、イエメンでは内戦と共に「コレラ」の感染が拡大しているとしたうえで「すでに世界最悪の人道危機に陥っている。新型コロナウイルスの報告はいまだに1件もないが、いつあってもおかしくない。イエメンほど医療態勢がぜい弱で、感染拡大の大きな影響を受ける国はない」と述べ、強い危機感を示しました。

また北朝鮮に関しては、現地に駐在する国連職員と連絡を取り合っているものの、限られた情報しか得られていないとしたうえで「ウイルスは国境を越えて感染が広がるもので、いつ報告があっても驚かない状況だ」と述べ、感染者が確認されれば重点的に支援していきたいという考えを示しました。

そのうえで「先進国はまずは自国の対応に集中するだろうが、医療態勢がぜい弱なほかの国を支援していくことも意味のあることだ。支援していかなければ今後、地球上どこに行っても皆が危険にさらされることになる」と述べ、自国民を守るためにも医療態勢がぜい弱な国々を支援していく必要性を訴えました。