東京都 小池知事「感染爆発の重大局面 今週末の外出自粛を」

東京都 小池知事「感染爆発の重大局面 今週末の外出自粛を」
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東京都は、1日に発表する感染者の数としてはこれまでで最も多い、あわせて41人が、新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。小池知事は25日夜、緊急の記者会見を開き、「今の状況を感染爆発の重大局面ととらえこの認識を共有したい」と述べて強い危機感を示したうえで、平日はできるだけ自宅で仕事を行って夜間の外出を控え、特に今週末は不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。

新たに41人感染確認

東京都は、25日夜、小池知事が緊急の記者会見を開き、男女合わせて41人が新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

1日に発表する感染者数としてはこれまでで最も多かった24日の17人の2倍以上となりました。

発表によりますと、41人のうち11人が、24日までに看護師と患者合わせて4人の感染が確認されている台東区にある永寿総合病院の患者や医療従事者だということです。

また、5人は、海外への渡航歴がある帰国者ですが、13人は今のところ感染経路がわかっていないということです。

このほかの12人は、感染した人の家族など濃厚接触者だということです。41人は、いずれも重症ではないということです。

これで都内で感染が確認されたのは212人となりました。

「感染爆発の重大局面 危機意識を」

会見で小池知事は、都民に対し、「感染者の爆発的増加を防ぐために皆様のご協力が何よりも重要。危機意識を持って行動していただけるよう改めてお願いする。いまの状況を感染爆発の重大局面ととらえていただきたい」と述べました。

「平日の仕事は自宅で 夜間は外出控えて 」

また、小池知事は「今週になりオーバーシュートの懸念がさらに高まっており、今まさに重要な局面だ。平日についてはできるだけ仕事は自宅で行い夜間の外出は控えてほしい」と述べ、都民に対し、都主催の大規模イベントを原則、延期や中止とする措置をとっている4月12日までは、平日はできるだけ自宅で仕事を行って夜間の外出を控えるよう求めました。

「週末の外出も控えて」

そして、「週末は急ぎでない外出は是非とも控えていただくようお願いしたい」と述べ、特に今週末は不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。
そのうえで、外国から帰国した人は帰国から14日間、外出を自粛することや大学などでは新学期の開始時期を遅らせるなどの対策を要請しました。

「近隣の県と連携を取る」

近隣の県との連携については、「近隣の県の方々と連携を取るべく、テレビ会議などの検討をしている」などと述べました。

「28日の『K-1』は『無観客試合』と連絡」

今週28日に都内の後楽園ホールで開催予定の格闘技「K-1」イベントについて実行委員会と協議を行い、感染拡大を防止する都の要請の趣旨に沿って「無観客試合」で対応するという前向きな連絡をもらったと述べました。

専門家「明らかにフェーズが変わった」

小池知事が「感染爆発の重大局面にある」として都民により強い対策の徹底を呼びかけたことについて、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「東京ではこの3日間で70人以上の感染が確認されるなど、感染拡大のスピードが上がっている。明らかに今までとはフェーズが変わったという認識や強い危機感が『重大局面』ということばから感じられる。週末に多くの人が外出したり、平日でも夜の飲み会などをしたりすることは感染リスクを高めるおそれがあるので、こうした機会を避けることは必要だ。また、平日の仕事を自宅で行うという取り組みは個人だけでは無理で、会社全体で仕事のスタイルを変える努力をしてもらわなければならない」と話していました。

東京都の感染者の推移は

東京都は、都内各地の保健所を通じて新型コロナウイルスに感染した人を確認しています。

感染した人が最初に確認されたのは1月24日で、中国の武漢から旅行で東京を訪れていた男性1人でした。この男性を含めて、1月に感染が確認されたのはいずれも中国からの旅行客とツアーコンダクターの合わせて3人でした。

2月に入ると、数人程度の感染が確認される日が出て、2月1か月間では合わせて34人でした。

感染の確認は、3月に入っても増減を繰り返していましたが、14日に初めてふた桁の10人となりました。

その後、17日に12人、20日は11人で、10人以上確認される日が相次ぎました。

そして今週に入るとさらに増え、3日前の23日には16人、24日には17人となり、25日一気に41人まで増加しました。