新型コロナ 検査態勢強化で致死率低く抑える国も

新型コロナ 検査態勢強化で致死率低く抑える国も
アメリカなどで新型コロナウイルスの感染が拡大する中、検査態勢を強化することで早期に感染を発見して致死率を低く抑えている国があります。中東のイスラエルです。
人口800万人余りのイスラエルでは、25日の時点で、新型コロナウイルスに感染した人は2030人で、亡くなった人は5人と、致死率は0.2%と低く抑えられています。

その理由について、感染症問題に詳しい地元テレビ局のナダブ・エイヤル記者は「イスラエルでは早い段階からすべての入国者に隔離措置を義務づける水際対策を強化し、重症化しやすい高齢者への感染を抑えることができた。もう一つは検査態勢を強化した結果、早期の感染確認が可能となり、拡大を抑え込んでいる」と指摘しています。

検査態勢の強化についてイスラエルがお手本にしているのが韓国です。

韓国では感染が急速に拡大した際、積極的に検査を行い、感染者数は増えたものの、重症化して亡くなる人は少なく、25日現在、致死率はおよそ1.4%と低く抑えられています。

ネタニヤフ首相は、「検査態勢は韓国など対策が進んだ国から学んだ」と述べ、韓国が導入した車の窓越で検査を行う「ドライブスルー方式」の検査場を各地に整備したほか、対外工作活動を行う情報機関「モサド」が10万人分の検査キットを他の国からひそかに調達する作戦を実行しました。

その結果、今月初めに1日100人余りだった検査数は22日以降、1日3000人以上と大幅に増えています。

イスラエルの専門家やメディアは、検査態勢の強化が感染拡大による医療崩壊を回避する切り札になっていると、韓国による対策の効果を分析しています。