東京五輪・パラ延期 選手がコメント【パラリンピック競技】

東京五輪・パラ延期 選手がコメント【パラリンピック競技】
東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期が決まったことについて、パラリンピックの各競技の選手や関係者のコメントです。

日本パラリンピック委員会 鳥原光憲会長

東京パラリンピックの延期について、JPC=日本パラリンピック委員会の鳥原光憲会長は、「まさに大英断だと思う。延期は多くの困難に直面するが、みんなの協力で乗り越えて完全な大会を実現すれば、より大きなレガシーの創造につながる。JPCとしても組織委員会などと歩調を合わせ競技団体やアスリートと一層連携をはかり、大会の成功に向けて全力を挙げて取り組む決意だ」というコメントを出しました。

パラ競泳 久保大樹

パラリンピックに初めての出場を目指す競泳の31歳、久保大樹選手は8年前に病気にかかり両手足にまひが残っています。久保選手は「1年間、さらに準備ができるとポジティブに捉えることもできるが、東京パラリンピックに向けて1日1日何をしないといけないか逆算してスケジュールを組んでいた。今やっていることが本当に1年後につながるのかと思うし、すべてをかける強い気持ちでやってきたのでその気持ちがずっと続くかは簡単ではないなと思う」と複雑な心境を話しました。
そのうえで久保選手は東京パラリンピックに向けて「病気になってからつらい時期もあったが、パラリンピックという希望があったからここまでやってこれた。たくさんの人に協力してもらって競技ができているので、その力を借りてなんとか乗り越えて1年後にいいパフォーマンスを見せて世界で一番になるという目標を達成したい」と意気込んでいました。

パラ競泳 一ノ瀬メイ

パラリンピックの競泳で、2大会連続の出場を目指している一ノ瀬メイ選手は「この決定が私たちの不安を取り除き、大切なことに集中する時間をくれたことにほっとしています。そして、母国でのパラリンピックが中止ではなく延期と言う形で開催されることに感謝しています。2021年に行われるオリンピック・パラリンピックが国を越えて助け合う精神を改めて確認する良い機会になることを願います。毎日、プールで泳げる生活は少しの間、止まってしまいますが、夢や目標は引き続き変わりません。どこまで成長できるか楽しみに毎日を過ごしていきます」とコメントしています。

パラ競泳 鈴木孝幸

パラリンピックに4大会連続で出場し金メダルを含む5つのメダルを獲得している競泳の鈴木孝幸選手は、「いつまで延期されるのかという懸念があったので、それが解消されたのはよかった。ただ、ことし本番があると思って取り組んできたものがなくなるわけなので、いったん気持ちをリフレッシュさせることが必要だなと思う」と受け止めました。
一方で、33歳の鈴木選手は「20代の頃に比べると疲れやすくなっているのは確かなので、あと1年でどれくらいの体の変化があるのか不安というのはある」と年齢を重ねる中での延期への不安も話しました。
そのうえで今後の代表選考が不透明な状況についても、「実際のパラリンピックの期間がわからず、今後の選考もどうなるか決まっていないので、できるだけ早く示してほしい」と訴えていました。
そして、東京パラリンピックに向けて、「ポジティブに捉えるならあと1年トレーニングに当てられる期間が増えたということなので、パワーアップしたパフォーマンスを皆さんに見てもらえるように頑張っていきたい」と意気込んでいました。

パラ陸上 山本篤

パラリンピック陸上の男子走り幅跳びで2大会で銀メダルを獲得し、東京パラリンピックの代表にも内定している37歳の山本篤選手は、「延期はしかたないし、無観客で開催するより、たくさんの観客の中でやりたいのでよかったです。年齢的には1年、年をとりますけど、それ以上に技術的な部分でまだ改善できることはあると思っているので1年間また猶予期間ができたことはチャンスと思っています」と前向きにとらえていました。
また、代表内定の取り扱いについては「内定が取り消されたとしてももう1度、出場権をとる自信はあるので、僕自身はもっともっと良いパフォーマンスを出せるようにやっていくだけだと思います。新たな大会日程が発表されてからもう一度、計画を検討していきたい」と冷静に受け止めていました。
そのうえで、大会の日程が練り直しになることを受けて「オリンピックが終わったあとにパラリンピックを開催すると盛り上がりにくいのでこの機会に、パラリンピックを先に開催するよう変更してほしい。そうすると、両方の大会がさらに盛り上がると思います」と提言していました。

パラ陸上 中西麻耶

パラ陸上の女子走り幅跳びで、去年、世界選手権で優勝した中西麻耶選手は、NHKのインタビューに応じ、東京パラリンピックの延期について、「中西選手なら逆境でも何かやってくれるという期待感に応えるためにも、気持ちを強く持ち、『見たか』と言えるような大きな跳躍を見せて勇気を与えたい」と話しました。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、東京大会までの1年は「競技だけではなく、いろいろな発信をして、大変な思いをしている人たちと手を取り合ってみんなで迎える大会にしていきたい」と話しました。
そのうえで、「この1年間、目標を見失わず、2021年の東京大会でしっかりと結果を残さないといけない。ただの金メダルではなく、とびきりの笑顔で、みなさんに祝福してもらえるような記録を残せるように、残された時間をひたむきに努力していきたい」と話しました。

パラ陸上 高田千明

東京パラリンピックの陸上女子走り幅跳び、視覚障害のクラスで代表に内定している高田千明選手は「きのうまでは大会がどうなるかわからずもやもやした気持ちで練習していたが中止でなく開催されるのはよかった。東京で開催されることは変わらないので、練習する時間が長くなったとポジティブにとらえて、決まった日程に向けて練習していきたい」と話していました。
また、内定の取り扱いについては「必死に勝ち取ったものなので、またやり直しとなったら調整だけでなく気持ちを再び高めていくのは難しいと感じる。内定している選手はそのまま持ち越してほしい」と話していました。

パラ陸上 伊藤智也

パラ陸上の車いすで東京パラリンピックの代表に内定している伊藤智也は「大会が中止ではなく延期となったことは、極めて現実的な決定として前向きに受け止めています。現在56歳の私にとってはさらに厳しい状況になりますが日々、ひとつひとつの課題を乗り越えることを積み重ね、晴れて迎える東京大会では中止ではなく延期であるという幸運を全身で表現できるよう心新たに精進してまいります」とコメントしています。

パラ卓球 別所キミヱ

パラリンピック5大会連続の出場を目指す卓球のベテラン、72歳の別所キミヱ選手は「想像はしていたが、仕方がないと思う。健康第一だし、私も年齢的に病気は怖い。日本や世界中の人にとっていい環境の中でやるのがベストだし、不安がある中で行うのはどうかなと思っていた。選考基準が変わるのかどうかもまだ、分からないが、やるしかない。気持ちの整理をしたうえで、いつ選考会などがあってもいいように準備だけはしておかないといけない」と話していました。

パラアーチェリー 上山友裕

パラアーチェリーで東京パラリンピックの代表に内定している上山友裕選手は、「はじめに延期の話が出たときは動揺しましたが、その後、状況が推移する中、延期は想定できるようになりました。新たな1年間で何ができるかを考えたとき、技術の向上にもあてられるし、もっとパラアーチェリーを知ってもらえる可能性があると思います。スポーツから世界に元気を発信したい」と前向きに話していました。

一方、今後の代表内定の扱いについては「競技団体が決めることなので僕から言えることはありませんが、応援してくれるみなさまの期待を裏切らないよう、本番に照準をあわせて準備するだけです」と話していました。

車いすバスケットボール 藤本怜央

車いすバスケットボールで日本代表入りを目指す藤本怜央選手は東京パラリンピックが1年程度、延期されることについて「競技人生の集大成と思ってやってきたが、気持ちを切り替え前に進まなければいけない」と自身が撮影した動画で語りました。

藤本選手は、小学生のとき交通事故で右のひざ下を失い、大学への進学を機に車いすバスケットボールを始めました。これまで4大会連続でパラリンピックに出場し、リオデジャネイロ大会では日本代表チームのキャプテンを務めました。

36歳の藤本選手は競技人生の集大成と位置づける東京パラリンピックが1年程度、延期されることになったことについて「1年延びたので、気持ちを切り替え前に進まなければいけない。結果を出して引退するという気持ちでやってきて、さらに1年続けていくのは非常に難しいことだが、東京でメダルをとると覚悟を決めているので延期になっても変わらず頑張っていきたい」と自身が撮影した動画で語りました。