東京五輪・パラ延期「1年で十分か判断は難しい」専門家

東京五輪・パラ延期「1年で十分か判断は難しい」専門家
東京オリンピック・パラリンピックが、1年程度、延期されることになったことについて、日本感染症学会の舘田一博理事長は、「今の時点で、1年で十分なのか、2年かかるのかなどを判断するのは非常に難しい」と指摘しました。
日本感染症学会の舘田理事長は「延期の期間が長いほど、開催時の新型コロナウイルスのリスクは下がると考えられるが、今の時点で、1年で十分なのか、2年かかるのかなどを判断するのは非常に難しいと思う。日本だけの問題ではなく、たとえ国内で影響がおさまっていたとしても、南半球の国々などほかの国の感染状況も考慮する必要があるかもしれない」と指摘しました。

そのうえで「新型コロナウイルスは非常に早いスピードで世界中に感染が広がっている。延期する1年程度の期間に多くの人が感染して回復することや、治療薬やワクチンの開発が急速に進むことなどを考えると、その頃には事態が好転し、流行が収束している可能性はある」と話しました。

小池知事の“都市封鎖”発言については…

また東京都の小池知事が都市の封鎖の可能性に触れたことについて、舘田理事長は「東京都内やその近郊で、感染経路のわからない感染者が増加してきている。東京は海外からの帰国者を通じて感染が広がるリスクがほかの地域に比べて高いことを考えても、爆発的な感染拡大が起こる危機が迫っているという認識のもと、強いメッセージを投げかけたのではないか」と指摘しました。

そのうえで「この3連休、気温も暖かくなるなど感染拡大を警戒する空気が緩んでしまったという指摘もある。都市が封鎖されるという事態を招かないためにも、いま一度、換気の悪い密閉空間で、多くの人が密集し、近い距離で会話や発声が行われるという3つの条件が重なる環境を避けるという行動を徹底してほしい」と呼びかけました。