東京五輪・パラ延期 IOCバッハ会長 単独インタビュー

東京五輪・パラ延期 IOCバッハ会長 単独インタビュー
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東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期を決めたIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長が、NHKの単独インタビューに応じ延期の決断をした理由としてウイルスの感染がアフリカや南米にも広がりパンデミックが加速したことに加え各国に渡航禁止措置が広がったことをあげました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京大会の通常開催を目指してきたIOCは22日に延期の検討を始め、4週間以内に結論を出すことを発表しました。

そのわずか2日後の24日、バッハ会長は安倍総理大臣との電話会談に臨み、史上初となる大会の1年程度の延期を決めました。

延期を決めた臨時理事会の後にNHKの単独インタビューに応じたバッハ会長は「最初は日本の対策を見て大丈夫だと確信していたがその後、感染が世界中に広がり問題は日本がどうかというより世界中の国が参加できるかどうかに変わってきた。特にこの数日はアフリカや太平洋の島国、南米にも感染が広がって、各国が渡航禁止の措置をとりさらに懸念すべき事態となった。安倍総理大臣と電話会談を開き最善の策を考える事にした」と述べ、パンデミックが加速したことで早期の決断に至ったことを明かしました。

また延期を1年程度としたことについては「オリンピックは世界で最も複雑な大会だ。世界中から1万1000人の選手が参加し16日間で30以上の世界選手権を一緒にやるようなものだ。しかも選手は選手村で集団生活をする。たくさんの観客も関わる。巨大なジグソーパズルだ」と述べ、さまざまな調整が必要なことから時期に余裕を持たせたことを説明しました。

そのうえで「いま全世界の人類が暗いトンネルの中にいるが、オリンピックの聖火をそのトンネルの出口を照らす光にしたかった。東京オリンピックは人類がいまだかつてない難局を乗り切ったお祝いの場となる。世界の団結の象徴にしよう」と話し、新たな日程で2021年に開催される東京オリンピックの成功を誓いました。