2月のデパート売り上げ12%減 3月はより深刻に 新型コロナ

2月のデパート売り上げ12%減 3月はより深刻に 新型コロナ
全国のデパートの先月の売り上げは、新型コロナウイルスの感染拡大で来店客が減ったことに加え、外国人旅行者の免税売り上げが減少したことから、去年の同じ月を12%余り下回りました。今月に入ってからの売り上げはさらに大きく落ち込んでいて、影響はより深刻になっています。
日本百貨店協会によりますと、先月の全国のデパートの売り上げは3661億円余りで、1年前も営業していた店どうしを比較すると、12.2%減少しました。売り上げの減少は5か月連続です。

これは新型コロナウイルスの感染拡大で国内で外出を控える動きが広がり来店客が減ったことに加え、外国人旅行者の免税売り上げが65.4%減ったことが主な要因です。

また、一部のデパートからの聞き取りによると、今月に入ってから17日までの売り上げは、去年の同じ時期に比べて40%前後減少しています。

とりわけ免税売り上げは80%前後の大きな落ち込みで、感染拡大が深刻な影響を与えています。

日本百貨店協会は「新型コロナウイルスの問題はリーマンショックや東日本大震災を超える大逆風となっている。このままの状況が続けば3月は過去最大の落ち込みとなりそうだ」としています。

「“イエナカ消費”を取り込んでいきたい」

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、外出を控えて自宅で過ごす人が増えていることから、デパート各社では、いわば “イエナカ消費”の売り上げを伸ばそうとしています。

東京 池袋にある大手デパートでは、感染拡大の影響で来店客が大幅に減り、今月に入ってから23日までの売り上げが、去年の同じ時期を30%程度下回っています。

こうした中でもネット通販では、化粧品の売り上げが25%程度増加していて、中でも、アイシャドウやマスカラなど目元に使う化粧品の販売が伸びています。

その要因についてデパートでは、店を訪れずネットで購入する人が増えたことや、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクを着ける人が増え、目立ちやすい目の周りのメイクへの需要が高まっている面もあるとみています。

このため、化粧品の在庫をふだんよりも20%程度増やしたうえで、商品のこん包や発送にあたる従業員を、注文数に応じてふだんの2倍から4倍に増やして対応しています。

一方、店頭で力を入れているのは地下の食料品売り場です。今月20日からワインやつまみ、それに総菜などを詰め合わせて、単品で買うよりも割安にした食品の販売を始めました。

外出を控える代わりに、自宅で少しいいものを食べたいという人の需要を取り込みたい考えです。

50代の女性客は「できるだけ外食をしないようにしている。手軽にちょっとしたごちそうを食べられるのはいいですね」と話していました。

西武池袋本店食品部の長谷川愛さんは「1日も早くデパートに足を運んでもらえる状況になることを願っているが、自宅で過ごす人たちのために、“イエナカ消費”を取り込んでいきたい」と話しています。