マツダ 国内2工場を一時稼働停止 新型コロナで自動車需要減

マツダ 国内2工場を一時稼働停止 新型コロナで自動車需要減
新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に自動車の需要が落ち込んでいるとして、自動車メーカーのマツダは、広島県と山口県にある2か所の組み立て工場の稼働を一時的に停止することになりました。
マツダが稼働を停止するのは、広島県の広島市と府中町にまたがる本社工場と山口県防府市にある防府工場の2か所です。

マツダの国内の組み立て工場はこの2か所のみで、年間およそ100万台を生産し、国内向けのほかアメリカやヨーロッパなどに輸出しています。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、世界的に自動車の需要が落ち込んでいるほか、部品調達にも影響が出ているため今月28日から工場の稼働を一時的に停止すると発表しました。

停止するのは来月30日までの合わせて13日間で、このほか8日間は夜間の操業を止めて生産調整を行うということです。

従業員には、雇用調整助成金を活用して9割の賃金を保障するほか、期間従業員の雇い止めは行わないということです。

また、タイとメキシコの工場もそれぞれおよそ10日間稼働を止めます。

自動車メーカーの間では、トヨタ自動車も来月から一部の国内工場の稼働を一時停止させることを決めたほか、世界各地で工場の停止が相次いでいて、新型コロナウイルスの影響が広がっています。

マツダ本社前では不安の声

新型コロナウイルスの影響でマツダが国内工場の稼働を一時的に止めることについて、広島県府中町のマツダ本社前では不安の声が聞かれました。

従業員の男性は「社内のメールで工場が止まる連絡があったがそれ以外のことは分からない。なるようにしかならないと思う」と話していました。

また、別の従業員の男性は「ほかの自動車メーカーも工場を止めているのでいつかくると思っていた。新型コロナウイルスの感染が広がっているのでしかたがない」と話していました。

一方、マツダの工場に部品を納入する下請け会社の従業員の男性は「リーマンショックの時のように生活が苦しくなるかもしれず内心不安だ」と話していました。

山口 防府工場でも

山口県の防府工場の稼働が停止することについて、事業所向けに食事を提供する会社で働いている60代の男性は「防府工場には1日1100人分ほどの弁当を納入していてマツダの工場で成り立っている仕事です。操業が止まるとどうなるか不安です」と話していました。

また、工場で自動車の組み立てを担当している派遣社員の30代の男性は「自動車の販売が落ち込んでいるところに新型コロナウイルスで追い打ちをかけられた状態です。工場を止める判断は妥当だと思いますが、業績の悪化で自分たちの生活に影響が出ないか心配で、とにかく早く元に戻ってほしい」と話していました。