EU 加盟国に求める厳しい財政規律を一時停止 新型コロナ対策

EU 加盟国に求める厳しい財政規律を一時停止 新型コロナ対策
EU=ヨーロッパ連合は新型コロナウイルス対策として、加盟各国が今後多額の予算を必要とする可能性があるため各国に求めている厳しい財政規律を一時的に停止することを承認しました。
EUが加盟国に対し求めている財政規律は、財政赤字をGDP=国内総生産の3%以内に抑えることを義務づけるもので、各国の赤字が膨らむことで信用不安が広がることを防ぐために、ここ数年、各国に対して厳しく順守を求めてきました。

しかし、感染拡大が著しいイタリアが感染対策や景気対策のために必要だとして財政規律の停止を求めていて、23日に開かれた経済相会議で一時的な停止が承認されました。これによって各国は財政規律に縛られることなく財政出動をして感染拡大への対策や企業や雇用者などへの支援を打ち出すことが可能になります。

また、EUでは執行機関に当たるヨーロッパ委員会もこれまでに通常は制限している各国から企業への補助金を認める方針を示すなどしています。

EU域内では最大の経済規模を誇るドイツが7年ぶりに新規の赤字国債の発行を決めるなど、加盟国は新型コロナウイルス対策に追われていて、EUとしては厳格な規則を緩める異例の措置を取ってでも感染拡大と景気の失速を食い止めたい考えです。