仏 治療薬の臨床試験開始 エボラ出血熱の薬など4種類

仏 治療薬の臨床試験開始 エボラ出血熱の薬など4種類
フランスの国立保健医学研究機構は、新型コロナウイルスの患者の治療に、エボラ出血熱の治療薬として開発中の抗ウイルス薬などを使った4種類の臨床試験を始めたと発表しました。
新型コロナウイルスの治療をめぐっては、エイズの発症を抑える抗HIV薬を投与したり、インフルエンザの治療薬を投与したりする試みが各国で行われていますが、今のところ確実に効果が確認された治療薬はありません。

こうした中、フランスの国立保健医学研究機構は、22日から患者の治療に抗ウイルス薬などを使った4種類の臨床試験を始めたと発表しました。

具体的には、
▽エボラ出血熱の治療薬として開発中の抗ウイルス薬「レムデシビル」、
▽エイズの発症を抑える「ロピナビル」と「リトナビル」を組み合わせた薬、
▽それらの薬にさらに「インターフェロンベータ」を組み合わせたもの、
▽マラリアの治療に使われる「クロロキン」の一種の、合わせて4種類です。

試験では、フランスのほかにイギリスやスペイン、オランダなどヨーロッパの6か国で入院している患者3200人に投薬を行い、集めたデータはWHO=世界保健機関に提供するとしています。

国立保健医学研究機構は23日に行った電話での記者会見で「15日後には治療の有効性に関する初期の分析結果が判明するだろう」としていて、有効な治療法の確立につながるか期待されています。