首相 IOCバッハ会長ときょう電話会談行う方向で調整

首相 IOCバッハ会長ときょう電話会談行う方向で調整
東京オリンピック・パラリンピックをめぐり、安倍総理大臣は完全な形で実施できない場合には大会の延期を容認する考えを示しました。政府は、延期する場合の日程も含めできるだけ早く対応を決定するよう要請する方針で、24日、安倍総理大臣がIOCのバッハ会長と電話会談を行う方向で調整しています。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、IOCは東京オリンピック・パラリンピックの延期を含めた具体的な検討を始め、4週間以内に結論を出すと発表しました。

これについて安倍総理大臣は23日の参議院予算委員会で「いま現在、オリンピックを開けるかと言えば、世界はそんな状態にはない」などと述べ、完全な形での実施が困難な場合には延期を容認せざるをえないという考えを示しました。

一方でIOCは大会の中止は検討しないとしていることから、政府は、最悪の事態となる中止を回避したことは評価できるとしています。

大会をめぐっては、今月、安倍総理大臣がアメリカのトランプ大統領と電話会談を行い、開催に向けた日本側の努力を説明したほか、G7=主要7か国の首脳によるテレビ会議の場で、完全な形での開催を目指す意向を示していて、政府関係者はこうした調整が中止の回避につながったと分析しています。

政府は、延期する場合の日程を含めできるだけ早く対応を決定するよう要請する方針で、24日、安倍総理大臣が大会組織委員会の森会長や東京都の小池知事も同席する中、IOCのバッハ会長と電話会談を行う方向で調整しています。

橋本五輪相 IOCに状況など直接説明も

橋本担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、延期する場合の開催時期は選手の環境や意見を踏まえて決めるべきだとしたうえで、みずからIOC=国際オリンピック委員会に対し、競技団体の状況などを説明していく考えを示しました。

この中で、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は、大会を延期する場合の開催時期について「国や地域の状況、アスリートが置かれている健康や環境によって、半年後がいいのか、1年後、2年後がいいのか、さまざまだ。IOCには、アスリートの声をしっかりと聴き取り一人ひとりに寄り添う形で、いちばんふさわしい時期を決めてもらいたい」と述べました。

そのうえで「しっかりと伝えなければならないことは、大会組織委員会の森会長を通じたり、あるいは直接IOCに対して対応していきたい」と述べ、みずからIOCに対し、国内の出場選手や競技団体の状況などを説明していく考えを示しました。

また、東京オリンピックの聖火リレーが当面、トーチを使ったリレー形式では行われない方向となったことについて「なによりも東北の復興オリンピック・パラリンピックにふさわしい聖火のスタートが望まれており、今後もしっかりと注視しながら最大限サポートしていきたい」と述べました。

西村経済再生相「延期なら残念」

西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「経済をV字回復させる象徴の一つとして、オリンピック・パラリンピックが位置づけられればよいと思っていたので、延期となれば残念だ。日本中が楽しみにしていたと思うので、地域や復興に与える影響も懸念される」と述べました。

一方で「少し延びるかもしれないが、楽しみが先に延びたと思って、経済へ与える影響ができるだけ小さく済めばいい。いろいろな状況をにらみながら経済運営に万全を期し、インパクトに見合うだけの経済対策を練り上げていきたい」と述べました。

自民 鈴木総務会長「残念だが 延期はやむをえない」

自民党の鈴木総務会長は、記者会見で「とても残念だが、延期はやむをえない。重要なのは、完全な形で開催することであり、1年後だろうが、2年後だろうが、それが確保できる時期であればいいのではないか」と述べました。

公明 山口代表「国際的な合意形成を」

公明党の山口代表は、記者会見で「多くの国が参加でき、安心して楽しみながら観戦できることが大切だ。国際的な合意形成を可能なかぎり進めてもらいたい」と述べました。