ラグビートップリーグ 今季残り全試合中止 感染拡大で

ラグビートップリーグ 今季残り全試合中止 感染拡大で
日本ラグビー協会は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて来月以降に予定されていたトップリーグの今シーズンの残りの全試合を中止すると発表しました。
これは日本ラグビー協会が23日発表しました。それによりますと、来月から5月にかけて予定されていたトップリーグの今シーズンの残りの全試合を中止にするということです。

▽選手や関係者の健康と安全を確保すること。
▽感染の世界的な拡大でニュージーランドやオーストラリアなどの選手に対して帰国が呼びかけられていること。
▽すべてのチームが企業スポーツとして活動していて選手やスタッフが感染した場合に企業に与える影響が大きいことを理由にあげています。

トップリーグは、ことし1月に開幕し全15節のうち第6節まで消化しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、先月下旬から今月上旬の2節分の試合の延期を決めました。

そして、今月中旬以降の試合については、所属選手の薬物事件を受けてコンプライアンス教育を徹底して行うために中止としていました。

今シーズンは日程の半分も消化できないことから順位をつけず、トップリーグの上位4チームが出場して5月下旬に行われることになっていた日本選手権への出場チームは別の方式で決めるということです。

トップリーグの太田治チェアマンは「安全と安心の観点により苦渋の決断だがすべての試合を中止とした。社会情勢を見ながら5月の日本選手権に向けた新たな大会を模索していく」などとコメントしています。

太田チェアマン 中止決定の経緯を説明

ラグビートップリーグの太田治チェアマンは23日夕方、記者会見し、今シーズンの残りの全試合の中止を決めた経緯について説明しました。

この中で、太田チェアマンは、今月19日の政府の専門家会議の提言を受けて翌日の20日に、各チームとテレビ会議を行って来月以降、試合を再開すべきかどうか意向を集約したことを明かしました。

各チームからは新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、一定期間休止したうえで再開するべきだとか、選手や関係者への感染のリスクが高いので中止にしたほうがいいなど試合を再開することに対して慎重な意見が多くを占めたということです。

さらに、ニュージーランドやオーストラリアなどの選手には、帰国が呼びかけられ不安の声が高まっていることが報告されたということです。

こうした状況を踏まえてトップリーグの太田チェアマンは「感染がいつ収まるのか、いつ再開できるかもわからず、健康と安全を担保できなかった。一定期間休止するにしても1か月は必要となり、リーグが成立しなくなるので全試合を中止とした」と中止の決定に至った経緯について説明しました。

一方、無観客での開催については、「1つの選択肢だったが、選手の安全の担保ができないと考えた」と話しました。

また、トップリーグの上位4チームが出場して5月下旬に行われることになっている日本選手権については、5月上旬をめどに何らかの試合を設けて、出場チームを決めることを検討しているということです。