プロ野球 Jリーグ対策連絡会議 “早期開催は困難”専門家提言

プロ野球 Jリーグ対策連絡会議 “早期開催は困難”専門家提言
プロ野球とサッカーJリーグが新型コロナウイルスの感染拡大に連携して対応する「対策連絡会議」の会合が開かれ、出席した感染症の専門家は、「現時点では早期開催は非常に難しい」と提言しました。
4回目の対策連絡会議は23日午前、東京都内で開かれ、プロ野球の斉藤惇コミッショナーやJリーグの村井満チェアマンそれに3人の感染症の専門家などが出席し新型コロナウイルスの流行や各チームの感染防止対策の現状について確認しました。

会議の後の会見で、対策連絡会議の座長を務める東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、プロ野球のシーズン開幕とJリーグの公式戦の再開時期について、「各組織が決めることで明確な日程は設定していない。現時点では早期開催は非常に難しい」と述べました。

そのうえで、「4月の状況はまだはっきりしない。4月の後半にしてほしいと伝えた。その時期に目標を定めながら十分な準備期間に充てていただきたい」と提言したことを明らかにしました。

専門家は、こうした提言をした理由として、試合会場に全国各地から人が集まることや、屋外屋内を問わずイベントの前後において感染リスクが高まることなどをあげました。

プロ野球は、23日午後から12球団の代表者が集まって来月10日以降としているシーズン開幕について協議します。

またJリーグは25日、実行委員会を開いて、来月3日の公式戦再開について話し合うことになっています。

斉藤コミッショナー「場合によっては4月後半に」

プロ野球の斉藤惇コミッショナーは対策連絡会議の後の会見で、シーズン開幕に向けた12球団の準備状況について「物質的な準備ではアルコールやサーモメーターの問題はあるが、野球は12球団で相互に助け合おうと委員会のようなものを作っている。球団によって差はあるが、互いに補助し合うことで場合によってはなんとかなるめどが立ちつつある」と説明しました。

そのうえでいつ開幕できるかの見通しについて「3人の専門家のコメントを聞きながら、ある程度時間的なスパンを考えることができた。今より条件が悪くなると話は別だが、今の状況でわれわれの準備がちゃんとできれば、場合によって4月後半という感じは持った」と述べました。

村井チェアマン「2週間単位で検討」

Jリーグの村井満チェアマンは対策連絡会議のあと記者会見し「専門家からいただいた意見をもとに、25日、全56クラブによる実行委員会を開き、来月3日に再開できるかどうか意思決定を行う。来月上旬の開催が難しい場合は18日、5月2日と2週間単位で先延ばすことをシミュレーションしながら日程の検討を進める」と話しました。

そのうえで、開催に向けた対策について「密着しないような応援の方法やサーモメーターなどの物資の確保など、各クラブと連携して準備を進めている。知恵を働かせればイベントが開催できないわけではない。56クラブある中で、J1とJ3では状況も変わる。一律で中止ではなくどういう方法なら開催できるか考えることも重要になる」と話しました。