カナダ “東京五輪・パラ ことし開催なら選手団を派遣せず”

カナダ “東京五輪・パラ ことし開催なら選手団を派遣せず”
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会は、東京オリンピック・パラリンピックがことし開催される場合は、選手団を派遣しないことを明らかにしました。
これは、カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会が、現地時間の22日夜に発表しました。

この中でカナダオリンピック委員会などは、IOC=国際オリンピック委員会などに、東京大会を1年延期することを求めています。

IOCが22日に発表した声明については「東京大会を中止にすることなく、大会を延期するかどうか速やかに意思決定することの重要性を理解している」として評価しています。

そのうえで「選手と世界にとって健康や安全以上に重要なことはない」として、東京オリンピックとパラリンピックがことし開催される場合は、いずれの大会にもカナダの選手団を派遣しない方針を示しています。

さらに声明の最後でも「社会を守り、ウイルスの感染拡大を抑えるために、国際オリンピック委員会と国際パラリンピック委員会が、東京大会を延期する決断で一致すると期待している」と記し、大会の延期を強く求めています。

事前キャンプ地 相模原市長「判断非常に重く残念」

カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会が、東京大会がことし開催されれば、選手団を派遣しない方針を明らかにしたことを受け、カナダのボートチームの事前キャンプ地となっている相模原市の本村賢太郎市長は、23日の定例会見で「カナダの判断は非常に重く、チームが来ないのは残念だ」と述べました。

そのうえで「新型コロナウイルスが終息し、世界の皆さんが安心・安全に渡航できる環境を作っていかないといけない。仮に開催が延期となれば、引き続きカナダとの縁を生かして、事前キャンプを相模原市で行ってもらえるよう活動を続けていく」と働きかけを続ける考えを示しました。

事前合宿地 北海道 函館では

カナダのバドミントンチームが事前合宿を行う予定だった北海道函館市の関係者からは「残念だが、しかたがない」という声が聞かれました。

函館市は、カナダのハリファクス市と姉妹都市の提携を結んでいることなどから参加国と交流事業を行う「ホストタウン」に登録していて、先月、カナダのバドミントン連盟が函館市を訪れて事前合宿を行う協定を結んでいました。

ことし7月にはカナダのバドミントンの選手たちが函館で事前合宿を行い、地元の子どもたちとスポーツを通じた交流などを行う予定だったということで、函館地区バドミントン協会の江刺家大介理事長は「子どもたちも選手たちとのふれあいを楽しみにしていましたので、残念な気持ちもありますが、状況を考えればしかたないと思う。時期がずれてもオリンピックをやるのであれば、やはり函館に来てほしい」と話しています。

豪五輪委「選手たちは2021年の開催に備えるべきだ」

IOCが東京大会の開催について延期を含めた検討を始めると発表したことを受けて、オーストラリアオリンピック委員会は「選手たちは2021年の開催に備えるべきだ」という声明を発表しました。

オーストラリアオリンピック委員会は声明の中で「大会がことし7月に開催できないことは明らかだ。オーストラリアの選手たちはトレーニングと準備に前向きな姿勢をとっているが、ストレスと不確実性が彼らの活動を非常に困難なものにしている」として、新型コロナウイルスをめぐる現状が選手の大きな負担になっていると指摘しています。

韓国外務省「組織委の決定見守る」

韓国外務省の高官は、報道陣から東京オリンピックの開催をめぐって、政府の立場を問われたのに対して、「大会組織委員会の決定を見守るのが最善だ」と述べました。

また、韓国の選手団の派遣などについて新たに検討したことはないとしています。

インド五輪委「1か月ほど状況見てから判断する」

インドのオリンピック委員会のラジーブ・メヘタ事務局長は23日、地元の通信社の取材に対し、東京オリンピックへの参加について「4、5週間状況をみたうえで、IOC=国際オリンピック委員会やスポーツ省と協議して決める」と述べ、国内外の感染状況を1か月ほどみたうえで、東京オリンピックに参加するかどうか判断する考えを示しました。