新型ウイルス 米国全土に感染広がる ニューヨーク州で外出制限

新型ウイルス 米国全土に感染広がる ニューヨーク州で外出制限
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アメリカでは、西海岸から始まった新型コロナウイルスの感染が全土に広がり、このうち東部ニューヨーク州では外出を厳しく制限する命令が出されたほか、大学やホテルを病室に改装する計画が明らかになるなど、対策は緊迫の度合いを増しています。
アメリカでは、2か月前に西部ワシントン州で初めての感染が確認されて以来、感染者数が増え続け、20日現在、全米で1万5219人に上っていて、特に東部ニューヨーク州では3週間足らずで7102人と、加速度的に増えています。

クオモ知事は20日の記者会見で、警察や医療従事者など一部の業種を除くすべての事業者に対して22日の午後8時以降、社員、従業員を自宅待機とする命令を出したのをはじめ、このままのペースで感染者が増え続ければ、必要な病院のベッド数は45日以内に収容能力の2倍に達するとして危機感をあらわにしました。

こうした中、アメリカ軍はニューヨーク州で現在使われていないホテルや大学の寮の部屋を病室に改装する計画について検討を始めたほか、ニューヨーク市の港に、病院船を派遣する準備を進めています。

また、アメリカ政府も国境を接するカナダに続いて21日からは、メキシコとの一般の渡航を原則として禁止すると発表し、人の往来を制限する措置を強めていて、アメリカの対策は緊迫の度合いを増しています。

寮の明け渡し求められる日本人学生も

アメリカで新型コロナウイルスの感染者が最も多い東部ニューヨーク州では、感染のさらなる拡大に備え、ホテルの客室や大学の寮の部屋などを病室に改装する計画が検討されている中、突然、寮の部屋を明け渡すよう求められる学生もいて、戸惑いや不安の声が聞かれています。

ニューヨーク州では、20日の時点で新型コロナウイルスの感染者がアメリカ全体の4割余りを占める7102人と最も多くなっています。

州当局は、感染がピークに達するのはこれからで、現在州内の病院が備えるおよそ5万3000床を上回るベッドが必要になると見ていて、ホテルの客室や大学の寮の部屋などを病室に改装することが計画されています。

このうちニューヨーク大学では、寮に住んでいた学生たちが突然、48時間以内に部屋を明け渡すよう求められ、戸惑いや不安が広がっています。

寮に住んでいた日本人で、大学3年生の木村梨沙さんは「突然のことでとても驚きました。アパートを探しましたが見つけられず、いったん日本に帰ることにしました。病室に改装することは理解できますが、学生のことも考えてもっと早く伝えてほしかったです。大学からは今後について詳しい説明はなく、また寮で生活ができるのか、いつになったら大学が再開されるのか、先のことが全く分からず、不安でいっぱいです」と話していました。