五輪開催「別のシナリオも検討」IOCバッハ会長

五輪開催「別のシナリオも検討」IOCバッハ会長
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大するなか、東京オリンピックの予定どおりの開催を目指しているIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長がニューヨークタイムズのインタビューに応じ「もちろん別のシナリオは検討している」と述べ通常開催以外の可能性について触れました。
IOCのバッハ会長は19日、アメリカの有力紙、ニューヨークタイムズのインタビューに応じました。

この中でバッハ会長は、東京オリンピック開催の判断をする期限について問われ「今回の危機を克服するのが難しいのは先を見通せないからだ。あすのことや1か月先のことでも何が起きるか分からないのに4か月以上先のことは言うまでもない。推測で日付を設定したり、今決定をすることはない」と述べ従来どおりの発言を繰り返しました。

一方で、「大会をことしの秋や2021年の夏、2022年の夏に移すために必要なことは何か」という質問に対しては「特別作業チームからの勧告がないうちに判断するのは時期尚早だが、もちろん別のシナリオは検討している」と述べて、通常開催以外の可能性について触れました。

バッハ会長は中止については「議題に上がっていない」と述べて否定し、引き続き大会の開催に向け努力を続ける姿勢を強調しました。

JOC 山下会長「いろんなケース想定はありうる」

IOCのバッハ会長がニューヨークタイムズのインタビューで「別のシナリオも検討している」と述べて東京オリンピックの通常開催以外の可能性について触れたことについて日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は「まだ詳細を確認していないが、きのうのテレビ会議でみんなで協力しながら東京大会の成功に向けてやっていくと確認した。今の時点では大きな方向転換はないと考えている。ただ、いろんなケースを想定することはどの組織でもありうる」と述べました。

橋本五輪相「しっかりと東京大会の実現に向けて努力」

橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は宮城県石巻市で記者団に対し「IOC、組織委員会、東京都がしっかりと連携して東京大会の成功に向けて努力していくということであるので、政府として歩みをともにし、しっかりと東京大会の実現に向けて努力していきたい」と述べました。

東京大会組織委員会「コメントしない」

東京大会の組織委員会は「IOCに確認したが、『方針転換はしていない』という回答だった。このため組織委員会としてコメントすることは考えていない」としています。