米FDA マラリア治療薬を新型ウイルスに「拡大使用」承認

米FDA マラリア治療薬を新型ウイルスに「拡大使用」承認
アメリカのFDA=食品医薬品局は、マラリアの治療薬「クロロキン」について、新型コロナウイルスの患者への効果を確認するため、医師の要請で患者に投与できる「拡大使用」の承認をしたと発表しました。
アメリカで新型コロナウイルスに感染した患者の数が急増する中、FDAは19日、トランプ大統領の要請を受けてマラリアの治療薬として知られる「クロロキン」について、新型コロナウイルスの患者にも使えるよう、「拡大使用」制度にもとづいて使用を承認し、複数の研究機関と連携して新型コロナウイルスに対する効果の確認を進めていると発表しました。

「クロロキン」は、70年以上に前に開発され、マラリアの治療薬としてアメリカをはじめ多くの国で承認されています。また、ウイルスの増殖を抑える効果も示唆されていて、SARSに対して効果があったという報告があるほか、新型コロナウイルスの患者にも日本を含む複数の国で投与されています。

FDAによりますと、「クロロキン」は、新型コロナウイルスに感染した患者のうち、軽い症状の人から中程度の症状の人について症状の持続時間や、ウイルスの減少にかかる時間を短縮する効果があるかどうかなどを確かめていくとしています。

「拡大使用」は、治療薬のない重い病気に対し、人道的な立場から正式に承認されていない医薬品の使用を認める制度で、新型コロナウイルスをめぐっては、エボラ出血熱の治療薬として開発された「レムデシビル」が、すでにこの制度のもとで医師の要請に基づいて使われています。

「クロロキン」については、まだ患者に使われた結果の報告が少なく、本当に効果があるかどうかはわかっていませんが、FDAが拡大使用を承認したことで、今後、効果の確認が加速すると期待されています。