新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、日本の外務省がヨーロッパのほぼ全域を対象に、渡航自粛を要請する感染症危険情報の「レベル２」を出したことを受けて、フランスやイギリスでは日本の留学生などが次々と出国しています。

ことし６月までの予定でパリの大学に留学している早稲田大学３年の福間虹介さん（20）は大学が休校になり、フランス政府によって、外出も制限されたことから、日本に帰国することを決めました。

パリ近郊の空港からテレビ電話で取材に応じた福間さんは「来月末に学校が終わり、その後はフランスの企業で研修を受ける予定でしたが、急きょ帰国することになりました。残念な気持ちはありますが、安全第一に考えると、帰国という選択肢も悪くはなかったかなと思います」と話しました。

日本政府は21日以降にヨーロッパから日本に入国する人に対して、指定した場所に２週間とどまるよう求めることにしていて、これを避けるために、急きょ帰国することを決めたということです。

福間さんは「２週間は自主的に自宅で待機をするので状況はあまり変わりませんが、自宅でしっかり過ごしたい」と話していました。

国際基督教大学３年の吉村卓也さん（21）は去年９月からイギリスのリーズ大学に留学していますが、予定を３か月繰り上げて急きょ、日本に帰国することになりました。

吉村さんは「感染の広がりは、当初は遠いところで起きているように感じて、イギリスまで感染が急速に広がるとは思っていませんでした。同じ寮に住む留学生の友人も次々と帰国し、きちんとお別れもできませんでした」と残念そうに話していました。

そのうえで、「ことしに入って新しい学期が始まってからも、ウイルスの拡大などで直接授業を受ける機会はほとんどなく、オンラインで授業を受けていました。帰国後も勉強を続けます」と話していました。