入国制限拡大 各国の農業分野で人手不足の懸念高まる

入国制限拡大 各国の農業分野で人手不足の懸念高まる
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国が入国を制限する動きが広がる中、アメリカやオーストラリアでは野菜や果物の収穫などを外国人に頼ってきた農業分野で人手不足への懸念が高まっています。
アメリカでは野菜や果物の収穫などに外国人の労働力が欠かせず、アメリカ労働省によりますと、この1年間におよそ25万人の外国人に短期間、農業に従事することを認めるビザが発給されました。

しかし国務省は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ほとんどの国でビザの発給業務を一時停止することを決め、多くの労働者を送り出しているメキシコにあるアメリカ大使館なども、18日からビザの発給業務を原則、停止しています。

こうした事態を受けて、アメリカの13の農業団体がポンペイオ国務長官に連名で要望書を提出し、「農業労働者へのビザの発給が重要事項であると認識し、各国のアメリカ大使館に緊急で取り扱うよう指示してほしい」と訴えました。

一方、オーストラリアは20日からオーストラリアの国民と居住者、その家族を除いて入国禁止の措置を取ると発表しました。農業の働き手は太平洋の島しょ国からの労働者やワーキングホリデーなどで滞在している外国人に頼っていることから、野菜農家で作る団体は声明を発表し、すでに入国している外国人のビザの有効期間を延長できるようにしてほしいと訴えました。

農業に従事する外国人をめぐっては、日本でもおよそ1000人の外国人技能実習生の来日の見込みが立たず、人手不足への懸念が高まっています。