「隔離と検査が不可欠」 各国に対策強化求める WHO

「隔離と検査が不可欠」 各国に対策強化求める WHO
新型コロナウイルスの感染の拡大が続く中、アメリカやヨーロッパでは不必要な外出を原則禁止するなど、一段と厳しい措置を打ち出す動きが相次いでいます。WHO=世界保健機関は、感染拡大を抑えるには感染が疑われる人の隔離と検査が不可欠だとして、各国に対策の強化を求めています。
WHOの発表などによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された国と地域は18日現在163となっていて、感染者は19万1127人に上り、死者は7807人となっています。

一方、中国の保健当局は18日新たに34人の感染が確認されたものの、これまで最も多くの感染者が出ている武漢を含む湖北省では新たな感染者は確認されなかったと発表しました。

中国の保健当局が、ことし1月に全国の統計の発表を始めて以来、湖北省で感染が確認されなかったのは初めてです。

こうした中、感染の拡大が続くアメリカやヨーロッパでは、一段と厳しい措置を打ち出す動きが相次いでいます。

アメリカのトランプ大統領は18日、記者会見でアメリカの連邦政府が民間企業に協力を要請できる「国防生産法」を発動する方針を示しました。

国防生産法は、朝鮮戦争の開戦に伴って1950年に成立した法律で、今後不足するおそれがある人工呼吸器や医療用マスクなどの生産を増やすよう要請する見通しです。

アメリカでは議会下院の議員2人が新型コロナウイルスに感染し、議会にも感染が広がり始めているほか、ニューヨーク証券取引所では感染拡大を防ぐ消毒などのため、23日から取り引きフロアを一時的に閉鎖することになりました。

さらにヨーロッパでは、ドイツのメルケル首相が異例のテレビ演説を行い「第二次世界大戦後、これほど団結が求められる試練は初めてだ」と述べて、強い危機感を示し、感染拡大を食い止めるための行動を呼びかけました。

またイギリスでもジョンソン首相が記者会見し、今月20日午後から当面、国内のすべての公立の小中学校や高校を休校にすると発表しました。

WHOは感染拡大を抑えるためには、感染が疑われる人の隔離と検査が不可欠だとして各国に対策を強化するよう求めています。