米 食料品備蓄する人も 外出禁止令などの地域 新型ウイルス

米 食料品備蓄する人も 外出禁止令などの地域 新型ウイルス
アメリカでは、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて外出禁止令などが出される地域があり、肉やパンなどの食料品を備蓄する人も出ています。
アメリカでは、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて、ニューヨーク近郊のニュージャージー州のホーボーケンで、住民に対し夜間の外出禁止令が出されました。

また、西部カリフォルニア州のサンフランシスコとその近郊では、来月上旬までのおよそ3週間、住民に対し、不要不急の外出を控えて自宅にとどまるよう求める命令が出されるなど、影響が広がっています。

こうした中、サンフランシスコの近郊に住む女性は、命令が出たことを受け、缶詰やスパゲッティ、チョコレート、それに肉やパンなどを買いためているということです。

女性は「勤務先では有給休暇にしてもらっていて、それはありがたいことですが、家にこもっているだけで何もやることがありません。3週間分のスパゲッティなどはありますが、野菜や果物などは買いに行かなければなりません」と話していました。

また、近郊の別の町に住む女性は「命令が出て以降、レストランが閉まっていて、食料品店と薬局ぐらいしか開いていません。在宅勤務をしていますが、仕事では同僚とのコミュニケーションが大事なので、直接会っていろいろ相談したいです」と話していました。

米の「国防生産法」とは

アメリカの「国防生産法」は、朝鮮戦争の開戦に伴って1950年に成立した法律で、当時は戦争遂行のために必要な鉄鋼やアルミなどの資材を確保するために発動されました。

その後、冷戦時代は重工業メーカーに対し、兵器を安定的に調達するための要請が繰り返されましたが、近年では軍事的な目的にとどまらず宇宙開発や超電導技術など、将来、重要になる技術を保護し、開発を促す目的でも活用されています。

今回の新型コロナウイルスへの対応をめぐっては、感染者が重症化した際に必要になる人工呼吸器や感染防止のための医療用のマスクや手袋が全米の医療施設で不足する実態が明らかになっています。

トランプ政権としては、法律の発動によってメーカーに対し、こうした医療用品の生産を優先するよう要請し迅速に感染拡大の防止策をとる考えです。