集団感染のクルーズ船 食事担当の乗員を中心に拡大か

集団感染のクルーズ船 食事担当の乗員を中心に拡大か
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船では当初、食事を担当する乗員を中心に感染が広がったとする報告を国立感染症研究所のグループが発表しました。
報告は、国立感染症研究所がアメリカのCDC=疾病対策センターの週報に発表しました。

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、先月1日に初めて感染者が確認されたあと、乗客・乗員712人に感染が広がりました。

報告によりますと、乗客の感染がクルーズ船が横浜港に到着する前の先月1日に確認されたあと、翌日には食事を担当する乗員1人が発熱して感染が確認されたということです。

報告では、当初、乗員は乗客から感染したと見られ、9日までに乗員20人の感染が確認されたとしています。20人のうち15人は食事の担当で、16人は同じ階に滞在していたということです。また、同じ段階で乗員31人に発熱の症状があり、20人は食事の担当でした。

研究グループは、感染した乗員と同じ階に滞在していたり同じ業務を担当したりした乗員の間で、飛まつや接触を通じて感染が広がった可能性が高いとしています。

クルーズ船では、乗客は先月5日から客室での待機を求められましたが、1068人の乗員の多くは業務を続けていました。

研究グループは、多くの人が密閉された空間で集まる状況で感染が確認された場合、速やかに感染の広がりを追う調査を行う必要があるほか、船内では感染の広がりを抑えるよう、症状がある人は隔離するべきだなどとしています。