2月貿易統計 中国からの輸入 大幅減 新型コロナウイルス影響

2月貿易統計 中国からの輸入 大幅減 新型コロナウイルス影響
先月、2月の日本の輸入額は去年の同じ月に比べて14%減り、とりわけ中国からの輸入額が47%余りの大幅な減少となりました。新型コロナウイルスの感染拡大が、中国の生産活動や物流に影響を及ぼしていることが鮮明になりました。
財務省が発表した貿易統計によりますと、先月の日本の輸入額は5兆2117億円で、去年の同じ月を14%下回りました。

中でも、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、中国からの輸入額は6734億円と、去年の同じ月を47.1%下回り、ほぼ半減となりました。

減少幅としては、1986年8月以来、33年半ぶりの大きさとなりました。

品目を見ると
▽衣類は65.7%の減少、
▽携帯電話などの通信機は45.3%の減少、
▽パソコンなどの電算機類は37.2%の減少となっていて、新型コロナウイルスの感染拡大が企業の生産活動や物流に影響していることが鮮明になっています。

一方、先月の日本の輸出額は6兆3216億円で、去年の同じ月を1%下回りました。この結果、輸出から輸入を差し引いた先月の貿易収支は1兆1098億円の黒字で、4か月ぶりに貿易黒字となりました。

財務省は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響が輸入に顕著に出ていて、特に中国では生産活動の停止やサプライチェーンの影響などが統計にあらわれている」としています。

食料品も減少

財務省の貿易統計によりますと、中国は日本の輸入全体の23%を占める最大の輸入相手国で、去年1年間の輸入額は18兆4000億円余りに上ります。

中国からの輸入額は、去年の8月以降、減少が続いていましたが、2月の貿易統計では、去年の同じ月を47%余り下回り、ほぼ半減しました。

減少の寄与度が高い上位3品目を見ると
▽「衣類とその付属品」が421億円で65.7%の減少、
▽携帯電話などの「通信機」が860億円で45.3%の減少、
▽パソコンなどの「電算機類」が783億円で37.2%の減少となっています。

このほかにも
▽「金属製品」が212億円で50.5%、
▽「自動車部品」が123億円で46.8%、
▽テレビなどの「音響映像機器」が281億円で37.7%、
それぞれ減少しました。

食料品も減少していて
▽「魚介類」が114億円で40.6%、
▽「野菜」が111億円で36.9%の減少などとなっています。
また「家具」は147億円で55.8%の減少となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大が、中国の幅広い業種の生産活動や物流などに大きな影響を及ぼしていることが浮き彫りになっています。