東京都の新型ウイルス特設サイトに注目 オープンソースで制作

東京都の新型ウイルス特設サイトに注目 オープンソースで制作
東京都が今月、新型コロナウイルスの特設サイトを立ち上げました。一般のプログラマーなどが意見を出し合いながら、修正していく新しい方法で制作されていて情報が分かりやすいとして注目を集めています。
この特設サイトは東京都が新型コロナウイルスに関する最新の情報を伝えようと今月3日から公開しています。

発表内容をそのまま掲載する従来の方法ではなく、PCR検査を受けた人数の変化や地下鉄の混雑状況の時間ごとの変化などがグラフで示されるなど、データが分かりやすいように工夫されています。

制作にはサイトの設計図にあたるプログラムを公開して一般のプログラマーなどがインターネット上で意見を出し合える「オープンソース」と呼ばれる方法が使われています。

すでに600件以上の意見が寄せられていて、感染した人のうち何人が退院したかの情報を掲載したり、色覚障害がある人のためにグラフの色を変更したりなどの修正が提案がされたということです。

また、プログラムが公開されているため、ほかの自治体でも数値を入力することで同じ形式のサイトが作れるということで、神奈川県が今月11日からこのプログラムを活用したサイトの公開を始めています。

開発を進めた東京都の宮坂学副知事は「日々、状況が変わる中、迅速な情報公開と柔軟に更新できるシステムが必要だった。意見をいただきながら随時、改善していきたい」と話していました。

専門家「分かりやすい情報発信は不安の解消につながる」

東京都の特設サイトについて行政の情報発信に詳しい東海大学の富田誠准教授は「行政が分かりやすい情報発信をすることが不安の解消などにもつながる。新型コロナウイルスについては日本だけでなく海外でも行政は発信に苦労している。情報を見やすくするこうした仕組みは、今後、災害時などでも力を発揮できるのではないか」と話しています。

台湾IT担当大臣からも提案

東京都の特設サイトには台湾のIT担当閣僚、唐鳳氏からも提案が寄せられているということです。

唐鳳氏は台湾の新型コロナウイルス対策でマスクの販売データをリアルタイムで公開したことでも知られていて、東京都のサイトに対しては翻訳の字体について改善を提案したということです。